2015年にフリーランスライターとして独立し、2016年度から3年間千葉県南房総市の新しい働き方セミナーに関わっている東(ひがし)洋平さん。セミナー講師だけでなく、ライターやイベンター、ミュージシャンとして、南房総でマルチに活躍する東さんにお話をうかがいました。

未就職でやってきた「気持ちいい」場所

学生時代にのめりこんでいた音楽活動がきっかけで、南房総を知り、移住を決めたという東さんは、2011年26歳の時に南房総へやってきました。大学院を修了後すぐ未就職で南房総に移住した理由は「気持ちいい」場所だったから。千葉県千葉市で育った東さんの目に映った南房総の海は、最高の場所でした。

「同じ千葉県でも、海は全然違っていて。本当にきれいで感動しました。空も広くて、夕日とかも最高で、ここに住みたいと思いましたね。親が食に気を使うタイプで、僕自身も農業に興味があって、農のある生活に憧れていたことも関係していたと思います。」

住みたい場所へ直観でやってきた東さん。移住後はどのような活動をしていたのでしょうか?

「若かったこともあって、いろいろなことをいろいろな人と一緒にやりましたね。フリーペーパーを作ったり、農業をやったり、商品開発したり。うまくいかないこともたくさんありましたが、この時の出会いが今の宝になっています。」

様々なジャンルに取り組み、マルチな才能を発揮する東さん

様々なジャンルに取り組み、マルチな才能を発揮する東さん

ライターとして本格的に活動を始めたのは2015年。館山市観光協会のWEBサイトや無印良品を展開する良品計画(MUJI)が運営する『ローカルニッポン』というサイトでの執筆をきっかけに、フリーランスとして独立しました。

「ライティングは独学なんですが、人のつながりが仕事にもつながっていきましたね。『ローカルニッポン』では150本以上の記事を書かせてもらっています。2016年にランサーズの新しい働き方講座の地域ディレクターをつとめることになったのも、人とのつながりがきっかけでした。そこから、ランサーズでもディレクションなどの仕事をさせてもらって、2か月で100万円近く稼いだこともありました。」

新しい働き方の可能性

2016年度には地域ディレクターとして、2017年度と2018年度にはランサーズ認定講師として、3年もの間ランサーズの新しい働き方講座に関わってきた東さん。クラウドソーシングという働き方についてどう思っているのでしょうか。

南房総市での講座の様子

南房総市で新しい働き方講座の講師をつとめる

「どの年にも思いましたが、眠っている人財は本当に多いと思います。それを活かせるクラウドソーシングという新しい働き方がまだまだ知られていないんだなと痛感しました。もっと広く知られるべき働き方だと思いますね。」

「また、講座の魅力は仲間ができること。よくフリーランスは孤独という印象があると思いますが、フリーランスが力を合わせるとものすごいパワーを発揮すると思います。フリーランスの良さって、やった分だけ返ってくること。その意識が高いとフリーランス同士で集まって仕事をするときに、『自分には何ができるか』ということを考えられるんですね。組織に属すると指示を与えられるのを待つことが多くて前向きな姿勢ではなくなってしまう側面があると思うんですが、フリーランスの考え方はとても前向き。フリーランスがコミュニティを作ってチームで仕事をするというのは、とても価値のあることだと思います。」

 

地方にこそ、複業型フリーランス

ランサーズ認定講師としてだけでなく、様々なジャンルのライターや地域で人気のイベントを取り仕切るイベンター、ミュージシャンや音響エンジニアなど、マルチな活躍を見せる東さん。まさに複業型フリーランスです。

農業で米の栽培にもチャレンジしている東さん

マルチな活躍は農業で米の栽培にも及ぶ

「自分の性質というか性格的に、コミュニケーションを取るのが好きで外に出ていくのが好きな人間なので、複業は自分に合っている働き方だと思います。独学で学ぶのが苦にならないのもプラスになっていますね。それに、地方でこういう働き方をしていると普段の生活や人とのつながりが仕事と結びつきやすいんです。」

「そもそも、地方も人手不足で、南房総は求人倍率が2倍ですが、問題は職種の選択肢が狭いこと。しかしそこに複業という働き方を加えると一気に地方での暮らし方に幅が広がると思います。そうなることで地域が盛り上がったりしたら、さらにいいですよね。」

最後に、これからについて聞くとこんな答えが返ってきました。

「これから、テクノロジーはもっと発達して、価値観もどんどん変わって、僕たちが考えられないような未来になっていくと思います。そんな中で、変わらないもの・変えてはいけないものはあると思っていて。それは僕の場合、「気持ちいい!」と感じる心だったり人をリスペクトする気持ちだったりするんですが、そんなことを大切しながら、未来に向かっていきたいなと思います。自分の息子にも、「気持ちいい」と感じる場所を自分で見つけて、そこを大切にしながら生きていってほしいですね。」

そう話す東さんの脳裏には、きっと自分の「気持ちいい」場所が浮かんでいたに違いありません。

▼この記事を書いたライターはこちら
千倉美波
海を愛する主人に連れられて、千葉県の南端に移住し、早8年。
今では二人の男の子に恵まれ、のんびり海辺ライフを楽しんでいます。
南房総は、温暖な気候で海も山も楽しめる子育てにはぴったりの場所。
個性豊かな子育て仲間とたくさんの自然の中で、子どもが繋げてくれたご縁を大切に、ここで家族とともに成長していきたいです。地元だからこその子育て応援活動をしながら、ライターとしても活動をはじめました。