東京から南房総市へ移住し、夢だった田舎暮らしを始めてから5年目の井上美奈子さん。2016年度に「新しい働き方講座スクット」を受講し、翌年は同講座の地域ディレクターとして活躍。そして2018年度は初級講座の講師を務めるなど、次々にキャリアアップされました。そのプロセスで多くの経験を積み重ねていくうちに新しく見えてきたもの、そしてこれからの展望についてお話を伺います。

受講生としての参加から地域ディレクターへ

ーー以前はどんなお仕事をしていたのですか?

「東京にいたころは、テクニカルライティング・マニュアル制作・テレオペ・事務局運営や事務職など、いろいろやっていました。南房総に移住してきてからは、仕事がなく生活が大変だったので、自分ができることはこの際何でもいいからやってみようと思い『チラシ作り・事務代行します』など、チラシを作ってご近所に配りました。これでは追いつかず、房総日日新聞というローカル新聞に『パソコン初心者教えます』と小さい広告も出しましたね。」

ーーお仕事を得るために行動しながら、2016年度に「スクット講座」を受講されたのですね。

「当時の私は自分の仕事が軌道にのっておらず、クラウドソーシングという新しい働き方で収入を得るのもいいかと思い、初級、中級と講座を受講しました。ランサーズのスタッフさんたちが、明るく希望がある空気を南房総まで運んできてくれて、楽しく講座を受講できました。」

ーー翌年は地域ディレクターとして講座に関わってどうでしたか?

「最初のうちは、半分仕事で半分おもしろそうだという感じでした。講座もおもしろかったし、やっているうちに労力もかかったけど、いつの間にかお金のことよりもやりがいを重視するようになっていました。受講生の方たちが、そもそも能力が高い、その人がいるとチームの空気が和むとか、みんなすごくいいものを持っていることがわかりました。それをフルに活かせば、仕事に限らず人生の可能性が広がることを実感できたので、地域ディレクターはとてもいい経験になりました。こういうチャンスはめったにないと思います。」

――特に印象に残っていることを教えてください。

「PCをほとんど使えない人や、課題に取り組むことが難しい人がいる場合も、受講生が自主的にカバーして助け合い、最後はなんとか全員が課題を提出できました。そういう過程を見ていると、本来のスクットの目的である「自走する」ということは絵に描いた餅ではなく、ここで終わらない何かが生まれるような予感がありましたね。」

井上美奈子さん

井上美奈子さん

チャンス到来!ずっとやりたいと思っていた「講師のお仕事」が実現      

ーー2018年の「スクット初級講座」で講師をされたきっかけは何ですか?

「地域ディレクターをしていた中級講座が終わる頃に、市の担当者から『次は講師をしてみませんか?』と声をかけていただきました。私は、人に説明したり教えたりすることが好きで、東京にいる頃からインストラクターみたいな仕事をしてみたいと思っていたので『これは実現するチャンスだ!』とワクワクしました。第3回のスクット初級講座で講師をつとめることになり、大変嬉しかったです。」

ーー初めて講師をされて大変だったと思いますが、どういうことを心がけていましたか?

「講座は『自分が本当にどういう働き方をしたいのか?』などを考えさせる内容なので、そこを受講生の方によく考えてもらえるように心がけました。ライティングについては、私が実際に執筆する予定の記事を例に出し、タイトルや構成案の考え方や、まず何を書きたいのか、書かなきゃいけないかを考えて、順序を組み立てる過程を見ていただいて、受講生の方に作成してもらいました。」

ーーご自分の実際の経験をもとに教えられたのですね。

「私の場合は、自分が通った道、自分が体験したことをシェアすることが一番役に立つと思うし、これが自分の講師としてのやり方かなと感じました。自分が経験したことしか伝えられないですからね。目の前の受講生よりも一歩先を、ずっと止まらずに歩いていけば、何かお手伝いできることはあると思うし、何よりも自分自身が成長していく土台になると思います。」

ーーオンラインディレクターのお仕事もされているそうですが、いかがですか?

「自分の仕事の幅が広がりました。実際に管理する側になって初めてわかることがあって、例えば仕事がしやすいライターさんというのは、社会性や人間的なものがちゃんとしている人であるとか、少なくとも私の経験の範囲でそうでしたね。あとは、クライアントや検品者、ディレクターの立場を考えるとおのずといい仕事ができる。これは本当にオンラインディレクターをやるまでわからなかったです。」

講師として笑顔で活動する井上美奈子さん

講師として笑顔で活動する井上美奈子さん

自分が楽しくて幸せなことが大事

ーーこれからの展望についてお聞かせください。

「地域でいうと、2期生の人たちが立ち上げた『南房総エクスプレス』というWEBサイトを通して仕事が取れるようにしたいです。あと、地域ディレクターのコミュニティでライターチームを作って仕事を取ろうという計画があるので、それを地元につなげたいですね。個人では、講師の仕事がとてもおもしろかったので、旅する講師という感じで全国をまわりたいです。スクットがもっといろんな土地で立ち上がれば、私にも活躍の場ができるかなと思います。」

ーー最後になりますが、井上さんにとって仕事をする上でこれは大事というものは何ですか?

「まず、人間関係です。いい人間関係があれば必ずなんとかなる。仕事もみんなでできるようになれるし、それぞれが力を伸ばせるんですね。あとは、自分が楽しくて幸せなことが大事で、誰かのためとか仕事ができるようにとか、あまり我慢するのはよくないです。自分がちょうどいいなと思うところで、楽しく誠実にやっていけば、必ずどんどん楽しいことがあると思います。」

ーーとても明るく前向きで、あたたかく包み込むような井上さんの言葉に、たくさん元気をいただきました。これからも一歩先を進み続けられる井上さんのご活躍を心から期待しています。

スクット初級講座修了式にて記念撮影

スクット初級講座修了式にて記念撮影

 

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めーたん
5歳と1歳の男児を子育て中のアラフォーママです。毎日があっという間で、慌ただしい日々ですが、家族で美味しいものを食べに行ったり、自然の中で一緒に遊んだりして、リフレッシュしています。「妊活」「出産」「育児」は得意なテーマ。イメージや思いが伝わるような、あたたかい文章をお届けしたいです。