40代後半から自分のやりたかった仕事へシフトし、それがきっかけで地域に新しい働き方を伝える「スクット」に関わり岡山県赤磐市で活動して3年目となる福島由香さん。悩みながらも自分がやりたいことへシフトしていくと自分の幸せが見えてきたといいます。そのストーリーを聞かせてもらいました。

一度しかない人生だから!40代でフリーランスデビュー

岡山県出身で20代30代はバリバリ働いていた福島さん。学生時代に英語に興味があり学びましたがはじめての就職先は英語には関係のない職種でした。その後、子ども向け英語教室の講師を経て、ボランティア活動などをしに単身アメリカへ。しかし、ビザが取れず3か月後に帰国。それから10年ほどは派遣社員として子育てと仕事を両立させていました。そんな中、離婚を経験し、安定を求めて正社員として勤めはじめます。

「正社員として8年ほどいたのですが、会社の仕事の中で海外とのやり取りがあって、その仕事がとても楽しかったんですね。そうなると他の事務仕事などが楽しくなくなってしまって、ストレスにつながり悩んでいました。」

その中で退職を考えるようになった福島さん。退職後にやってみたいこともあったそうです。

「もともといつか英語に携わる仕事をと思っていて、それは定年後にチャレンジしてもいいかと考えていたのですが、仕事のストレスがたまるうちに『一度しかない人生だから、したいことをしよう!』と退職を決意しました。再婚した夫に打ち明けたときはドキドキしましたが『そっちの方が健康的な生活を送れるだろうし、いいんじゃないか』と賛成してくれて。それが最後の決め手になりましたね。」

家族の理解を得て退職し、自分のやりたい仕事へむけて、翻訳の専門学校へ40代後半で通い始めた福島さん。学校に通いながらも気になっていたことが。

「収入がない、ということが気になっていました。そこで、クラウドソーシングに出会い、ライティングで仕事を始め、少しですが稼ぎつつ学校を卒業しました。卒業後は翻訳の仕事のトライアルに挑戦し、クライアントと契約をさせて頂くことができたので、フリーランスとしてデビューしました。」

スクット認定講師の福島由香さん

スクット認定講師の福島由香さん

地域ディレクター、そして認定講師として

「スクット」に関わるきっかけとなったのは、ランサーズからの地域ディレクター募集をみかけたこと。自分の住むすぐ隣の市での活動で、仕事で通っていた時期もあった場所だったので、親近感もわいたそうです。

「ディレクター経験もなく、自信もなかったですが、ダメ元で応募しました。そうしたら、採用いただいて。嬉しかったです。」

赤磐市では2016年度2月から3月に初級講座、2017年度に初級講座と中級講座、2018年度に前年の受講者を対象に上級講座、新規受講生向けに初級講座を行いました。2018年度上級講座まで地域ディレクターとして、受講生に寄り添い一緒に走りぬきました。

「1年目はかなりバタバタでしたが、2年目は地域ディレクターとしての自覚をもって受講生に接することができたのではと思っています。それができたのはランサーズでの地域ディレクター研修のおかげ。スキルを学ぶ中で改めて地域創生についての考えることができました。その時に、他の地域の地域ディレクターさんと一緒だったのですが、ひとりでは広げることのできなかった部分にまで意識が広がり、刺激を受けることができて、とてもよかったです。」

2018年度後半からランサーズスクット認定講師へとステップアップした福島さん。不安や緊張も大きかったそうですが、それをどう乗り越えたのでしょうか?

「講師として、新しい働き方を地域に広げられることがうれしいという気持ちが大きかったのでチャレンジしました。講師研修や実際の講座の中で、“伝わるように伝えるスキル”が身につき勉強になったと思います。また、他地域の講師陣や地域ディレクターとスクット運営のナレッジやスキルの共有ができるNLDというコミュニティ も大きな後押しになりました。リアルタイムで情報が共有でき、講座運営のブラッシュアップやモチベーションアップができるのもありがたかったです。」

子育てママへ伝えたい「幸せ」と「自由」

クラウドソーシングの魅力はなんですか?と聞くと、福島さんはこんな風に答えてくれました。

「子どもが学校から帰ってきて「おかえり」と言えることですね。外で働いている間は、保育園は当たり前、家では時間との戦いで、子どもとの時間はあまり取れませんでした。その点、フリーランスで在宅で仕事をしていると、子どもと過ごす時間が増えて、仕事のスケジュールも自分で調整できるので余裕ができるというか…。子どもにふと「あんまり怒らなくなったね」と言われたことを覚えています(苦笑)。小さな幸せかもしれませんが、クラウドソーシングによって生まれる幸せと自由は、あると思いますし、それを子育て中のママさんに伝えたいですね。」

地域のこれからについてはこう話してくれました。

「私が地域ディレクターと講師を務めた赤磐市は、自治体のバックアップ体制が積極的です。現在は自治体が窓口になり、受講生に少しですが仕事を振ってくれたりしています。やはり、受講中はワクワクして気持ちが高まっていますが、講座が終わってなかなか仕事が軌道に乗らないと気持ちは下がってしまうので、こういった体制はとても助かっています。今後はもっとアウトソーシングの意識を地域内に広げ、仕事が増えるといいなと思います。」

そう語る福島さんのやさしい笑顔に、クラウドソーシングで自分らしい人生を送るための後押しとなる力を感じました。

▼この記事を書いたライターはこちら
千倉美波
海を愛する主人に連れられて、千葉県の南端に移住し、早8年。
今では二人の男の子に恵まれ、のんびり海辺ライフを楽しんでいます。
南房総は、温暖な気候で海も山も楽しめる子育てにはぴったりの場所。
個性豊かな子育て仲間とたくさんの自然の中で、子どもが繋げてくれたご縁を大切に、ここで家族とともに成長していきたいです。地元だからこその子育て応援活動をしながら、ライターとしても活動をはじめました。