人とすれ違ってもあいさつをしないことが当たり前になっていませんか?

1

南房総では、知りあいでなくても、道ですれ違ったら自然にあいさつを交わします。「こんにちは」から、見知らぬ人と会話が始まることもしばしばです。

お気に入りの風景を写真に撮りながら港を散策

2

南房総市和田の港でたくさんの猫に遭遇しました。20匹近くいたでしょうか。人馴れした様子の猫たちをカメラにおさめていたら、軽トラックが、そろそろと近寄ってきました。運転していたのは年配の男性です。

「こんにちは。」
こちらからあいさつをすると、

「猫、たくさんいんでしょう(いるでしょう)!」
と、笑顔が返ってきました。そして、

「白いの、4、5匹、いんべよぉ。みんなホワイトっていう名だよぅ。」
と、嬉しそうに話を続けました。

どうやらホワイトという名前をつけられた白い猫が数匹いるということのようです。おおらかなネーミングセンスに心が和み、思わず笑顔になりました。

あばらの骨が足りない房州人(ぼうしゅうじん)

南房総のあたりは房州(ぼうしゅう)とも呼ばれています。そして、この地に住む房州人は「あばらの骨が1本少ない」と言われることがあります。

根性がないといったザンネンな含みもありますが、温厚でおだやかな性格、小さいことは気にしないおおらかな性格を表す言葉です。そういう房州人の人柄の良さは、豊かな自然環境が育んだ賜物(たまもの)といえるでしょう。

房州言葉は、単語が同じであっても、標準語とは微妙に違うアクセントのものがあります。そのちょっとした違いが、あばらが足りない房州人としてのアイデンティティなのかもしれません。

ひとつの景色の中にあっても、空が空であるように、海が海であるように。

3

ポケットに小さなカメラをしのばせて、あるいは、スマホのメモリをたっぷり空けて、
おいでください、南房総へ。