大村市で起業

移住をきっかけに起業してみたい、そんな人は多いのではないだろうか?かくいう私も、4年前に沖縄に移住し、自分らしい働き方を選択するためにフリーライターとして独立した人間のひとり。起業のスタイルは人によって様々で、自分らしく起業をするには「どこで起業するか」はとても大切な選択肢だと思っている。

そんな場所のひとつとして、長崎県にある大村市という町をご紹介したい。沖縄に定住を決めた私も、思わず「ここは自分らしく起業するにはとても素晴らしい環境だ(住みたい)。」と思ったほどの町だった。出会うのが先であれば、もしかしたら大村市に住んでいたかもしれない。

起業にぴったりだというには理由がある。大村市は人や自然の住み心地に加え、起業支援サポートが充実しているのだ。まず、大村市での起業を支援する「創業塾」、創業後のステップアップをサポートする「O-biz(オービズ)」、経験ゼロからの農業経営を学ぶ「新規就農(しゅうのう)者支援策」、農業への不安がある人が、3泊4日で農業を体験できる「農業体験インターンシップ」などだ。※詳しくは記事の終盤で説明する。

今回は、大村市で起業することの魅力を、4人の起業家へのインタビューを通してお伝えしたい。

2018年美容室開業!自分らしい接客スタイルを大村市で実現した「阿部 隆太郎」さん

2018年10月に美容室「ART」を開業した阿部 隆太郎さん。なんと、取材をしたこの日時点ではまだ、開業して1か月しか経っていなかった(が、街の人とはかなり馴染んでいた)。

大村市出身の奥さんのために、「実家の近くの方が子育ても安心してできるだろう」という想いのもと、神奈川から2年前に引っ越してきたのだそうだ。

元々神奈川ではずっと美容師として働いていた阿部さん。移住を機に“せっかく妻の生まれ育った町に住むなら、永住の決意も含めて起業したい”と思っていたという。

「本当は移住後すぐに起業しようと思っていたんですが、創業塾の存在を知り、せっかく起業するならしっかり学んでから起業したいと思い、美容室で働きながら創業塾に通いました。大村市に住んですぐだったので“店出したよー”“行くよー”みたいな、知り合いもいなかったので、今思えばこのタイミングでよかったと思っています。」

近くの美容室で働きながら創業塾に通い、同時進行で物件選びや開業準備も行っていたという。聞いているだけでも目が回る忙しさだということは安易に想像ができる。

―それでも起業したい、というエネルギーはどこから来ていたのですか?

「神奈川で美容師をしていたころは、本当に忙しくて夜中まで働いていたんです。けど、結婚して子どももできて、大村市に住むと決めたときに、これを機に働き方を見直したいと思って。仕事に追われる毎日で、本当にしたい接客ができているわけではなかったので。それを追求したときに、出てきた答えが“起業”でした。」


大村市に移住を決めたときに、自らのワークライフバランスを見直すきっかけになったのだそう。改めて、父親としての自分と美容師としての自分、すべてを考えたとき、起業という選択に繋がったのだという。

「雇われているときは、自分の本当にやりたい接客はできなかったんです。当たり前ですけど、“この人に対して接客できる時間は〇時間”って決まってるので。でも本当は、高くても好きな商材を使いたいし、お客さんに心から喜んで欲しい。そのためには、お客さんが本当に納得できるまで丁寧にカウンセリングしたいんです。ちゃんと向き合って、お客さんの希望する時間内でベストを尽くしたいんですよ。」

[店の入り口に並ぶ、阿部さんがこだわって選んだ商材]

都会的な回転の良さ重視ではなく、ひとりひとりと向き合って答えを出すスタイル。阿部さんは長年やりたかったスタイルを、ここ大村市で実現したのだ。

「こっちに来たからには、職人寄りでやりたいですね。神奈川だったら、もっとビジネスライクにやってたかも(笑)。もちろん今後は、経営者としての目線も持たなきゃいけないので、やり方を模索しながらバランスを考えていきたいです。」

実は店名である「ART」には、自分の名前のイニシャルが組み込まれている。(A=「あ」べ/R=「り」ゅう/T=「た」ろう)

「自分の名前を入れたのは、責任を持つという戒めでもあるんです。ひとりひとりと向き合う接客をすると決めたからには、自分の接客には責任を持たなければいけないと思ったんです。というか、自分の店なんで当たり前なんですけどね(笑)。“ART=つくる”という意味でもあるので、お客さんが本当にリラックスできる空間をつくりたいという想いもあります。」

[白と緑を基調とした、安心感のある内装]

最後に、大村市に住んで良かったと思うか尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。

「良かったと思いますね。食べ物が美味しいですし(笑)。あと、海も山も川もあって、保育のサポートも充実しているので、子育てには最適です。仕事面でも、起業したことで自由にやれているので、ほぼストレスがありません。最初は不安もありましたが、思ったよりお客さんも来てくれるし、自分なりにベストなパフォーマンスを出せていると感じながら仕事ができているので、楽しいです。」

[施術台]

家族との時間も大事にしつつ、美容師としても充実していると話す阿部さん。取材を通して、とても人を大切にする人なのだと思った。だからこそこの地で、家族の幸せとお客さんの満足に、向き合っていくことができるのだろう。

次に大村市に訪れる際は、是非髪を切りに行きたいと思った。

▼阿部さんの公式ブログはこちら
https://aberyutaro.amebaownd.com/

自分の店をコラボの場所にしたい。居場所から繋がりをつくり続ける珈琲店オーナー「一瀬 靖太」さん


2016年に珈琲専門店を開業した「一瀬(いちのせ)珈琲」の一瀬 靖太さん。大村市出身で、生まれてから今まで大村市で暮らしてきたという一瀬さんの開業のきっかけは、家族の幸せを考えてのことだった。

「実は珈琲店をやる前は、食品会社のサラリーマンだったんです。普通に働いてたんですけど、結婚して子供を授かり、産まれた子供が発達障害だったんですね。元々共働きだったのですが、子供が発達障害ということで、妻が働くことが難しくなったんです。」

ただでさえ大変だと言われる子育てと仕事の両立。そこに療育も加わってくるとなると、仕事との両立は難しく、またそれを受け入れてくれる仕事先を見つけるのも困難だ。悩んだ末に、一瀬さんは奥さんと一緒に働くことができ、自身も子育ての手伝いができる環境をつくる手段として、起業を決意した。

元々実家が珈琲屋だった一瀬さんは、“起業するなら珈琲店をやろう”と思ったのだそうだ。

「妻と一緒に働くことができて、なおかついつでも動ける環境がいいなって思いました。そう考えたときに、実家が珈琲屋だったことや、珈琲のある暮らしの心地よさを知っていたこともあり、珈琲店をやろうと思ったんです。」

起業を決意し、創業塾を受講した一瀬さん。そこでたくさんの同じ志を持つ人たちと出会い、その出会いが今の店舗設計の柱になったのだそうだ。

「創業塾でたくさんのいい出会いがあったんです。だから、知り合った人とコラボができるお店にしたいなって思いました。みんなで一緒にやろう精神というか(笑)。だからうちの店には、創業塾で知り合った人の商品を置いています。コラボ商品もあるんですよ。」

店内には市内の起業家の作品がずらりと並んでいた。一瀬珈琲とプリザーブドフラワーがセットになったギフト商品など、コラボ商品も販売されている。


「内装を考えるとき、壁を真っ白にすることにこだわったんです。壁が真っ白だと、何とでもコラボできるじゃないですか。例えば絵を描いた額縁を並べたらギャラリーになるし、プロジェクターを使ってセミナーを開くこともできる。創業塾に通ったことで、いつの間にか“コラボする相手と一緒にやる前提”で開業を考えていたんです。」

そう考えながら開業し、2年たった今は店舗だけでなく、イベントやマルシェなど、外でのコラボの話も増えてきたという。

「有難いことに、創業塾卒業生や人づての紹介で“大村市で起業するなら、一瀬さんの所に行ってみたら?”と言ってもらえることが多くなりました。そうやって、人との出会いを大事にしてたら、イベントやマルシェを主催する団体からも依頼をもらったり。大村市で起業するみんなが盛り上がるのは嬉しいので、自分が儲かってどうこうじゃなく、みんなで上がっていけるようなイベントとかも、今後は仕掛けていきたいと思っています。」

起業したことで、家族との繋がりも人との繋がりも深くなったという一瀬さん。最初は家族を思っての起業だったが、一瀬さんの人当たりの良さや発想の柔軟性が、起業によって水を得た魚のように開花され、ピースがはまっていったのだろうと思った。

「今はやりたいことをとても自由にさせてもらっていて、妻には感謝しかないですね。お店を出したことで、いろんな人と知り合えたし、色んな世界が広がりました。あと、小さい頃から、珈琲の香りと焙煎する音に囲まれた暮らしだったので、やっぱり自分は珈琲が好きなんだなという再確認にもなりました。丁寧にハンドドリップした一杯をお客さんが“美味しい”と言ってくれる瞬間は、やっぱり何年やってても嬉しいですね。」

[人が集まる場所だから光が入る空間にしたいと、開放感にこだわった内装]

最後に大村市という地域について、一瀬さんはこう語ってくれた。

「“一回外に出れば大村市の良さが分かる”という人は多いんですが、僕はずっと住んでるけど大村市が大好きなんですよ。言葉にするのは難しいんですけど、居心地がいいからずっといるんですよね。何があるからいい、とか、理由ありきじゃなくて、何があっても大村市が好きなんですよ(笑)。」

それを聞いたとき、恋愛と愛情の違いのように思った。きっと、一瀬さんは大村市がどんな姿かたちになっても、ずっとここに住みたいという愛情があるのだと思う。たくさんの起業家たちが、一瀬さんとコラボしたいと思う理由が分かったような気がした。

▼一瀬珈琲店公式ページはこちら
http://ichinose-coffee.com/

大村市でゼロから農業デビュー!夫婦できゅうり農家を営む佐々木さん夫妻

2016年にきゅうり農家をスタートしたという佐々木さん夫妻。夫婦で移住し、全く未経験から農業経営に至ったのは、大村市で農業をしていた祖父母と叔父さんのオファーがきっかけなのだという。

「私は元々神奈川県で看護師をやっていて、夫は運送会社で働いていたんです。で、夫の仕事のため北海道に移り住んだんですけど、ワンオペ育児にちょっと疲れていたタイミングで、祖父母と叔父から“大村市で農家を継がないか”と声を掛けてもらいました。夫に意見を聞いてみたら“やってみたい”と言ってくれたので、思い切って大村市で農業をする決断をしたんです。」

子供の頃、みかん農家のおじいちゃんが作ったみかんが大好きだったという、佐々木益美さん。おじいちゃんがやっていたことだからと、自然な気持ちで農業を挑戦しようと思ったのだそうだ。

―初めての土地でゼロから農業をやることに、不安はなかったのですか?

「最初は不安でした。子供もいますし、分からないことだらけなので。けど、大村市は農業支援がすごく充実してるんです。『新規就農(しゅうのう)者支援制度』というのがあって、何をつくるかを決めるところから、農業の基礎研修を2か月間学ぶことができて、その後10か月間、実際に農業を営んでいる農家さんのところで農業を実践研修できるんです。その間、市からの給付金の支援があるので、生活には困りませんでした。この仕組みはとても助かりましたね。」

市の制度を利用して、きゅうりを育てることを決め、きゅうり農家でみっちり修行を積んだという佐々木さん。農業を本格スタートした今でも、JAの部会(農家さんの集まり)に助けられているのだそう。

「JAのきゅうり部会というのがあって、就農後もそこで勉強会をしたり、年に数回みんなのハウスを見て回れたりするんです。そこで、色んな感想をもらえるんですよ。“うまくできてるね。”とか、“ここが虫に食われてるからこうした方がいいよ。”とか。そういうのがあると孤独にならなくていいから、とても心強いです。」

[佐々木さん夫妻のハウス]

「あと、これは大村市に来てから知ったんですけど、大村市は子育てにもとてもいい環境なんです。今子供が3人いるんですけど、大村市は、2人目からは保育料が無料なんですよ。」

子育てもこなし、移住と起業も実現した佐々木さんは、その華奢な見た目からは想像できないパワフルな女性、そして努力家だ。だが、そんな佐々木さんも東京で働いていたころは、ストレスから余裕のない生活を送っていたのだという。

「東京に住んでいるときは、正直、お金のためだけに働いていました。ショッピングが好きで、よく買い物に出掛けてたんですが、たくさん買ってもどこか満たされないというか。心に余裕がなかったんだと思います。けど、大村市に住んでからは、仕事の価値観がすごく変わりました。以前は、言われたことをやるのが仕事だったんですが、今は言われてやるのではなくて、“今年は○○だったから、来年はもっとこうしよう!”って、自分たちで考えながら試行錯誤するのが楽しいです。」

大村市は、私生活も仕事も充実できる場所、そして、ここに住む人たちはギスギスしていないから、自然体でいられるのだと語ってくれた。

農業経営に参入し、2年が経ったタイミングで家を建てた佐々木さん夫妻。まさに仕事も家庭も大切にするといった、憧れのワークライフバランスを手に入れている。

[夫婦で出荷用のきゅうりを仕分けしている佐々木さん夫妻]

「今後は、きゅうりだけではなく、みかんにも取り組みたいと思っています。おじいちゃんが作っていた美味しいみかんを、私も作りたいなって。大村市のみかんって、本当にすごく美味しいんですよ。東北や北海道の親戚に大村市のみかんを送ると『こんなみかん食べたことがない』と言われるくらい。いつか大村市のみかんをブランドにしたいと思っています。」

お金のためだけに働いていた時期があったとは思えないほど、佐々木さんは農業に対してとても楽しそうに話してくれた。穏やかで優しい笑顔を見せてくれる佐々木さん夫妻が作ったきゅうりを分けてもらったが、シャキシャキでとても美味しいと思った。

可能性は“無限大”。大村という町で、新しい福祉の可能性を開拓する「出口 明子」さん

大村市に移住し、2015年12月に「お手伝いサービス結や」を立ち上げた後、2017年8月に法人を設立し、障がい者の就労支援サービスを立ち上げた出口(いでぐち) 明子さん。

元々同じ長崎県の諫早(いさはや)市に住んでおり、結婚を機に五島市に移り住んだ後、起業を決意したタイミングで長崎県内をいくつか調べ、ここ大村市に移り住んだのだという。

「ずっと福祉の仕事をしていたのですが、仕事内容にジレンマを感じていました。福祉に対する制度の窮屈さを感じていて。そこで長崎県内をいくつか調べたとき、大村市が福祉のモデル事業として『在宅ネットワーク』を全国に先駆けてやっているのを新聞で知りました。大村市なら新しい福祉を学ぶことができるかもしれない。そう思って大村市への移住を考え始めました。」

それから出口さんは、2015年の夏頃から大村市に通うようになったのだそう。

「諫早に住んでいた時は、大村は空港しかないイメージだったんです。だけど実際に来てみると、新しい道路ができていたり、お店もたくさんあったり、“大村すごいな”ってビックリしました。」

大村市に通いながら、開業前にテスト的に仕事をもらうようになった出口さん。そして2015年の冬に「おてつだいサービス 結や」として、介護や高齢者の買い物の付き添い、子育てサポートから遺品整理まで、“困ったことを手伝うサービス”をスタートした。

その後、2017年に合同会社を設立。居宅介護・重度訪問介護サービスを行う「トータルケアなないろ」と、ケアプラン作成を行う「相談支援事業所らんびーと」、そして障がい者の就労継続支援B型事業所「S’more」をオープンした。

[就労継続支援B型事業所「S’more」]

「最初は、結やだけのつもりだったんです。法人の予定もありませんでした。ある時、知人のやっていたヘルパーステーションが閉じることになって、そこにいた重度の利用者のいく先がなくて、スタッフも解雇になってしまうということだったので『みんなでやろっか』で、始めました。」

そして生まれたのが「トータルケアなないろ」。それを皮切りに、「相談支援事業所らんびーと」「S’more」を立ち上げ、怒涛の日々が続いたという出口さん。

「とにかく必死だったので、実はあまり覚えてないんですよ(笑)。ただ、会社の理念でもあるんですけど、“可能性は無限大”だと思っているんです。想いは必ず形にできるし、自分がやるって決めたら、実現できる。私は福祉の仕事が好きだから、全部諦めたくなかったんですよ。」

「福祉や介護、就労支援を通して、 “死ぬことしか考えていなかった人”が『もう少し生きてみようかな』って思ってくれたり、困った人の役に立てることが、仕事をする上での喜びなんです。だから悩む暇がないくらい、努力しました。」

出口さんは、結やを始めたばかりの頃に、飲み屋でアルバイトをしていたのだそう。そこでは、都会から出張に訪れるお客様が多く、出口さんはよく「夢は何ですか?」と聞いていたという。

「そしたら、みんな、夢がないって言うんですよ。楽しいっていう人がいなくて。これが世の中か、と思いました。都会のサラリーマンはこんな感じなのかと。そして楽しみも夢もないという大人のもとで育った子供たちは、何を思うんだろう、何を目指していくんだろうって思ったんです。そういう社会でいいのか、って。」

「まっすぐな道をただ歩くだけの人生なんて、つまらないし、色々なことを考えてしまう。けれど、悩む暇がないくらい、やりたいことの実現に全力を尽くして生きていきたい。」終始穏やかな口調だった出口さんが、最後しっかりとした口調で、そう語ってくれた。

まとめ:

各起業家の方々にインタビューを行い、印象に残ったのは「それぞれが自分の生き方、働き方に向き合った上で、人生として “起業”を選択している」ということだ。

“大事な人を大事にできる心の余白を確保しつつも、人々に喜んでもらうためのサービスを提供したい。”そう考えて田舎暮らしを検討する人は多いのではないだろうか。

ここ大村市は、都会的な派手さはなく、一見「田舎」だと感じるだろう。私もこの地に辿り着いた瞬間はそう思った。なんたって、電車は1時間に1本なのだ。けれどここは、様々な人の“自分らしさ”を受け入れ、応援し、穏やかな心で過ごさせてくれる町なのだ。

最後に、市役所に務める女性が言った一言が印象的だった。

「大村市は、恋愛ではなく結婚相手みたいなイメージ。東京君は、イケメンで面白いけど、自分らしくいられなくて、ちょっと疲れる。大村君はぱっとしないけど、なぜかとても居心地がいい存在。大村君といると、包み込んでくれて、自分らしくいられるから、結婚相手にぴったりだなって。」

まさに私が感じた大村市にぴったりと当てはまる、絶妙な表現だった。大村市という町は、「“自分らしく”起業したい」そんな方に、住んでほしい町だと思った。

■大村市での起業支援サービス4つをご紹介

1 大村市での起業を支援する「創業塾」(無料)※教材費のみ1000円

大村市には、市内で起業を考えている人を対象に、創業について勉強する講座、通称「創業塾」がある。創業塾では主に、創業するにあたり身につけるべきことや創業計画書の作り方、運営方法などを学ぶことができる。


*創業塾13期受講生募集チラシ

「創業塾」は創業による地域活性を目的としている。無料で受講できるのが一番のポイントだ。1年に3回程度講座を開催するそうだが、毎回20名の定員数がいっぱいとなる人気講座となっている。(1年に3回、つまり年間60人もの人が、大村市での起業を検討しているということに驚いた。)受講希望者は、卒業生の紹介により申し込むことも多いそうだ。

インタビューでも出てくるが、創業塾のメリットは知識やノウハウだけでなく、私の目には、その繋がりにこそ本質的なメリットが存在しているように見えた。現在12期を超える創業塾では、同期の起業検討者および、OB(卒業生)との出会いがあるのだ。

これから起業を考える人にとって、すでに起業して数年たった先輩たちとの出会いほど心強いものはないだろう。移住となれば尚更だ。

「卒業してからも、遊びに来たり、起業後の相談に来る卒業生は多いんですよ。あとは、実際に起業した人にOBの人を紹介することもありますね。実際に、コラボしてビジネスにつなげている方もいるみたいです。」という、創業塾関係者の方のお話が、まさに「つながり」の重要性を物語っている。

2 開業後の次の一歩を目指す人におすすめ!大村市産業支援センター「O-biz(オービズ)」

次にご紹介したいのが、こちらも無料の支援サービス「O-biz(オービズ)」だ(※以下オービズと記載)。オービズは、創業塾で開業を学んだ後のサポートとして、創業後の販路拡大などを支援する、大村市の公的無料相談所だ。


[引用:http://omura-biz.com/

ビジネスのスペシャリストにより、第三者的に見て強みを見つける、いわばコンサルタントのようなことを無料でやってくれるサービスなのだ。当然、起業はゴールではないので、開業したはいいものの、思ったようにいかない人や、逆に“軌道に乗り始めたから、事業を拡大したい。次のステップに行きたい。”という人は多いはず。

そんな時、一人で考えるのではなく、第三者目線、しかも専門家の意見を無料で聞くことができるというのは、どれだけ刺激になるだろう。数か月先まで予約がいっぱいなのも頷ける。

▼O-biz(オービズ)公式サイトはこちら
http://omura-biz.com/

3 大村市で農業を1から始めたい人におすすめ!「新規就農(しゅうのう)者支援制度

大村市に来て、初めて農業を始めたいという人に向けた制度「新規就農者支援制度」は、新規就農するために必要となる知識と技術を身につけることができる支援策。

【研修内容】
(1)基礎技術研修(2か月間):県立農業大学校等において、施肥、防除、土づくり等の基礎的な知識習得と、トラクター等農業機械作業の技術習得。就農計画作成演習による経営品目(何を育てるか)の選定等。
(2)受入農家派遣研修(10か月間):県内各地の生産部会等の受入団体において実践的な生産技術および経営管理技術の習得。

つまりおよそ1年の年月をかけて、農業とは何か、どういうことをするかを学び、何を育ててどういう経営をしていくかを決定し、それに沿った農家さんを紹介してもらい、実際に10か月間実践を通して農業経営を学ぶというものだ。


[引用:

https://www.city.omura.nagasaki.jp/nousei/machi/norinsuisan/shien/sinkisyunou.html

この制度のすごいところは、実際に農業を経営する前に、長期期間を通して、農業経営をシミュレーションできることはもちろんのこと、研修期間中の補助として、就農希望者1人あたり日額6千円の給付金が大村市から支給されるというところだ。
※給付金対象者:就農予定時の年齢が原則65歳未満で交付条件を満たしている方に限る。

▼詳細PDFはこちら

https://www.city.omura.nagasaki.jp/nousei/machi/norinsuisan/shien/documents/h30aratananinaitejigyo.pdf

4 移住も農業も、事前に体験してみたい方におすすめ!「農業インターンシップ」

農業が未経験だと、やはり“農業はきつそう”“やってみて後悔はしたくない”と、ハードルの高さから、不安が大きいという方には、もっとライトに農業を体験できる「農業インターンシップ」も、2018年よりスタートしている。


[引用:

https://www.city.omura.nagasaki.jp/nousei/machi/norinsuisan/syugyotaiken/nougyousyuugyou.html

農業インターンシップは、農家に泊まり込みで3泊4日農業を体験できるサービス。参加費・宿泊費・食費は無料(県外からの参加の場合、一部交通費補助もあり)なので「とりあえず体験してみたい」という方にぴったりだ。

体験してから実際に農業を始めることで、想像とのギャップが生まれることなく農業を始めることができるので、不安に思っている方には是非インターンシップを体験していただきたい。

▼詳細はこちら

https://www.city.omura.nagasaki.jp/nousei/machi/norinsuisan/syugyotaiken/nougyousyuugyou.html

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