♪さ〜すら〜お〜ぉお〜う♪

奥田民生さんの「さすらい」をBGMに旅をするのが好きで。幼少期のワゴン車ファミリー旅で、冒険の種が撒かれたのかも。社会に出ると旅にボーナスを全弾投入したり、出張に憧れたり。フリーランスの今、”ならでは” の働き方をしたいと思っていたところ目に飛び込んできた、さすらいワーク。

行き先は岡山県赤磐市。
—ん?あ、あか?せき? はい。読めません。インターネットで「赤い(あかい)」「磐田(いわた)」と打ち込み、欲しい文字以外は消して検索。赤磐市のホームページが表示され、あかいわと知ったのでした。

さすらいワーカーとして赤磐の遺跡巡りを担当。したはずが・・・さすらいには予想外はつきものですよね。お約束ですよね。これが好きなんですけどね。バッチコーイ!遺跡の紹介をしつつ、赤磐を自然・不自然という角度でご紹介します。ハプニングも込みで!

岡山のマチュピチュ?自然に囲まれた熊山遺跡

岡山県赤磐市へは岡山駅からJR山陽本線で約20分。最寄りは瀬戸駅。瀬戸駅に到着後、バスで赤磐市山陽郷土資料館へ向かったわたしを待ち受けていたのは、郷土資料館で研修を受けている真っ最中の赤磐市内の学校の先生たちでした。ガイドは学芸員の伴さん。わたしも、ちゃっかり参加!

小顔限定の兜と、海外交流を感じさせるトレンドをおさえた鎧。しかもスリム。

ガラス玉と勾玉。ガラス玉のワークショップを通して当時の技術を学べるそう。

山陽団地から出土した2000年前の桃の種。さすが岡山!

先生たちは遺跡を見学してから郷土資料館に来たとのこと。いいなぁ、わたしはまだ遺跡を見てないよ〜。座学より実践派なのでウズウズ。郷土資料館を見学し終わった後、どこに行こうか迷った結果、熊山遺跡へ向かうことにしました!某RPGと漫画の影響で今夏のテーマは「冒険」なのです。ミステリーオーラの漂う熊山遺跡・・・ビジュアル重視で選びました。いざ!

熊山遺跡までの道のり。山深くなってきた。ドキドキ。信仰の場でもあった熊山には33箇所の石積遺構があるそう。


登山道にある、竜神二つ井戸。熊山山頂までは、最寄りのJR熊山駅から片道歩いて約2時間。

熊山神社。1メートル越える備前焼の狛犬がお出迎え。

樹齢1000年の天然杉二本。天然記念物!

そして・・・お待たせいたしました!熊山遺跡です。

この、ビ・ジ・ュ・ア・ル!グッときました。ピラミッドのような、マチュピチュのような。国指定史跡指定の熊山遺跡は、出土品から奈良時代のものといわれています。


露出した岩盤上にある3段構造。四方の中心のくぼみは、龕(がん)という神仏を祀るための場所。いまだに、何の施設だったかがハッキリしていないそう。「僧侶になるための儀式をおこなう戒壇だった」や、「仏教施設に関連する仏塔だった」とか、謎は深まるばかりです。

標高500メートルの熊山山頂にある熊山遺跡。景色も最高!

展望台からの景色。晴れていれば淡路島、小豆島、岡山市が見渡せます。

展望台のノート。交換日記帳のようでした。キュンキュン。

切り株からベビーツリーが。かわいい!

あれ?お仲間増えました?不自然な赤磐のミステリースポット

熊山遺跡に向かう途中に見つけてしまったのです。赤磐のミステリースポット。


「あ、お仕事おつかれさまです〜。」
ん?現地の人にしては不自然。よく見てみたら・・・


かかしですよ。

なんでも、年々増員しているんだとか。マ、、、マジで。

山と田んぼとかかし。司会者ですって。えーと、何の・・・?(笑)謎は深まります。

豊かな自然があってこそ。熊山駅のノスタルジーな跨線橋と、雄町米

熊山遺跡から市街へむかうと、黄色のかわいい電車が!熊山駅から出発したところでした。

鉄道院時代より活躍している跨線橋(注1) 。明治45年に瀬戸駅へ設置後、昭和35年に熊山駅へ移設。いまも現役!山の深緑に、鮮やかな電車と趣のある跨線橋、夕日も加わり懐かしさに包まれました。赤磐市が舞台になった映画「種まく旅人~夢のつぎ木~」のロケ地にもなったとか。

※注1 跨線橋(こせんきょう)とは…鉄道線路の上にまたがってかけた橋のこと。

移動中、現地の方と話をしているといつの間にかお酒トークへ。引退した蔵もあわせて、なんと8軒の酒造が赤磐にあったと教えてくれました!

原料は雄町米(おまちまい)という、穂がと〜っても長いお米。150cmほどあったかな?穂が倒れやすく生産が大変なんだとか。(お酒は他のさすらいライターさんの記事をどうぞ!)
熊山駅の風景、美味しいお酒。どちらも豊かな自然があってこそですね。

自然のご褒美。わたしのお腹を満たした、赤磐の暁色

熊山をたくさん歩いたから…
はい!お腹がすきました。待望の夕飯タイム。しかし、なんとビックリ。お店が開いていないぞ?!赤磐での夕飯は、おうちごはん派が多いのか。5軒めぐって、パーフェクトクローズ!

事前に飲食店情報をチェックしていたのに、インターネットの情報がここまで役に立たないとは。お盆明けだからか、いつもそうなのか。なりゆき任せ、予定通りにいかないのもさすらいワークの醍醐味です!

腹ペコでさすらうこと2時間。わたしのお腹を満たしてくれたのが、赤磐の夕日でした。

だんだん、空が暁色に染まっていきます。

桃畑からの夕日。

こんなに写真があるってことは・・・お店をたくさん探した証拠だよ。笑

綺麗にまとめてみましたが、お腹は空くのです。ようやく、開いているお店を発見。沖縄料理「くまっこ広場」でさっそくオーダー!

赤磐の米粉を使ったそば。


お母さんイチオシ!のタコライス。いや、サンオシ!くらいされたかな。

沖縄出身で赤磐に嫁いできたお母さん。赤磐歴40年越え。
「ちょっと前まで家の用事で忙しかったんだけどね、最近は落ち着いたからいいのよ〜」
営業時間外なのに優しく迎えいれてくれました。ちんすこうとお手製の酵素もごちそうに。


「ブログに書くわ〜」
パシャっと撮影して、ノートパソコンに向かうお母さん。タイピングのお仕事をしていたので、記事を書くのは得意なんですって。わたしが取材させてもらうだけでなく、逆にブログに書いてもらう、思いがけない体験もありましたが、お腹も気持ちもとても満たされました。ありがとう!お母さん(TT)

自然すぎて素通りしちゃった、両宮山古墳と備前国分寺跡

2日目は農産物直売店の稚媛(わかひめ)の里からスタート。桃やぶどう…気になる。しかし、朝から太陽が
「あ、今日は夏日になるんで、よろしくッ!」
と言わんばかり。はい、荷物少なめで行きましょう。

森(さすらいワーカー) [ ところで、両宮山(りょうぐうさん)古墳てどこだ・・・]
歩きながら探してみても、看板はあれど古墳は見えず。よし、人に聞こう。
森「すみません、両宮山古墳はどこですか?」
稚媛の里店員さん「このすぐ裏ですよ。ここが接していて。古墳の中に入りたいときは、この信号を・・・」


高台にあがりやっと気づいた。田んぼだと思っていた場所が両宮山古墳とは。

両宮山古墳は、5世紀後半に吉備の有力豪族のお墓として作られたと考えられているようです。墳丘の長さは206メートル。写真の水があるところが内堀で、昔はもう一つ外堀があったとか。

ん?

亀がいました。すいすいすい〜っと、気持ち良さそう。移動して古墳の内側へ行ってみよう。

墳丘にある神社。カサカサっと木を移動する影が。10cmほどのカナヘビにも会いました。


場所がわからず通り過ぎてしまった、備前国分寺跡。

備前国分寺後は、奈良時代に建立された寺院で、伽藍(注2) の広さは南北200メートル、東西180メートルの大きさです。奈良時代はここに高さ60メートルの塔があったというから驚き。60メートルというと、今でいう19階建てのビルくらいの高さです!頭の中でその塔を描き見上げたところ、赤磐市山陽郷土資料館の伴さんの言葉がよみがえりました。

学芸員 伴さん「山陽道路を走行中に、スカイツリーがドンッ!と現れたらビックリするでしょ?昔もそう。お偉いさんに、“な…、なんだ、なんなんだ!ここに何があるんだ!” と、立ち寄ってもらうために主要道から見える位置に大きな塔を立てたんです。」

とても分かりやすい例えで赤磐の魅力を教えてくれた伴さん。伴さんのような先生に歴史を学びたかったなぁ。この近くには住宅や保育園があり、歴史的建造物が日常に溶け込んでいました。

※注2 伽藍(がらん)とは…僧侶が集まり修業をする場所のこと。

空腹は自然の摂理です? 赤磐のちょい食べグルメ、三連チャン

豚のかば焼き

両宮山古墳と備前国分寺跡があまりにも自然すぎて行き来をしていたところ、この看板が目に飛びこんできました。

「豚のかば焼き」

ピンポーン(入店)。
森「すみません。豚のかば焼きって、すぐ食べられますか?」
店員さん「あ〜、間もなく準備をはじめるところなんです。そこで。」
森「(店内の一角を指差しながら)あ、ここで?」
店員さん「あ、いえ。(外の焼き場を指差しながら)外で!」
森「そうなんですか!!う〜お昼かぁ。(あと2時間ある)残念です。」
店員さん「残念です、すごく美味しいんですよ〜」

ですよね。そう思います。
出会わなければ良かったのか。焼き場を写真に納め、その場をあとにしました。

石窯パン工房 麦のひげ

豚のかば焼き屋をあとにし、たどり着いたのは、「石窯パン工房 麦のひげ」。現地の人に「美味しいよ」と教えてもらったパン屋さんです。やはり現地のことは現地の人に教わるのが一番ですね。

出来たてのカレーパンとクリームパン、そしてピオーネのアイスでブランチをいただきます。店内は込み合っていて活気があり、店外のカフェスペースでは隣にいたお母さん達から「あぁ、美味しい。幸せ。」という声が。遠方からお客さんが来るのも納得の美味しさでした。

敷島堂のシャインマスカット大福

「できるだけ自分の足で赤磐をさすらいたい!」そう考え、両宮山古墳から市役所方面へ徒歩で移動していると、川で再び亀を見つけたり、桃やぶどうのモチーフの橋の欄干に喜んだり、青空市場に立ち寄ってみたり。徒歩ならではの発見がたくさんありました。

和菓子屋の敷島堂も、発見のひとつ。
お店の前を通りかかるとイートインできると知り、吸い込まれるようにお店の中へ。そこで、シャインマスカット大福をいただきました。肥沃米のお餅に包まれた、種なしのシャインマスカット。もちもちのあとに、果実のみずみずしさが口いっぱいに。わらび餅とお茶のいっぷくセットはなんと100円。お得ですね!

ひと休みしていると、入店するなり店員さんにアイコンタクトをして席に着く常連さんがいらっしゃいました。ここで休憩するのが日課なのかな。なんだかいいなぁ。

自然・不自然、赤磐市

この記事を「自然・不自然」というテーマで書いたのは、赤磐での時間を振り返り、ある言葉がパッと頭に浮かんだからです。

その言葉は「自然体」。

環境としての自然もそうだけれど、自然体でいられるなと。何かを真似して、無理をしていない。華美な広告や宣伝がない。(わたしの図々しさはさておき)肩肘張らずに過ごしていた事に気がつきました。

人生の問題の大半は人間関係という言葉を耳にしたことがあります。学校、仕事、地域、趣味、友人…、人との距離に悩みはつきませんよね。近すぎても負担になるし、遠すぎても不安になるし。暮らしていく土地なら、なおさら。

1泊2日の短期滞在でしたが、初めての土地にもかかわらず「赤磐の人の距離のちょうどよさ」から自然体でいられる。でも、初めて訪問した土地にも関わらず自然体でいられることって実は不自然なこと・・・?という思いから、ハプニングも含めて、赤磐を伝える上でこの言葉を書き留めたいと強く思いました。

突然の取材にご協力くださったみなさん、赤磐の魅力をたくさん教えてくれた赤磐市山陽郷土資料館の伴さん、赤磐市役所の須波さん糸曽さん、ありがとうございました!

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