転勤族の我が家は、東京、サハリンに始まり、岩見沢、札幌、室蘭と道内も転々としています。そんな私たちが、日本の最北端まで1時間ほどの道北エリアへ降り立ち、はや1年。
天塩町の右も左もわからなかったこれまでの生活の中で、見るものすべてが、それは鮮烈な光景として心に残りました。1年を振り返りながら、おすすめの風景をご紹介します。
まずは腹ごしらえ「しじみパスタ」
皆さん、天塩のしじみをご存知ですか?昔から、「厚岸のカキ」、「十勝川のフナ」とともに「蝦夷の三絶」と言われ珍重されてきた、
大変価値のある特産品です。
パンケ沼と天塩川が主漁場となっていますが、近年は漁獲量が少ないため、6月~8月上旬という僅かな期間のみ、地元で販売されます。そのしじみをふんだんに使った、トマトベースのパスタがこちら。
室蘭から約400キロの道のりを、5時間以上かけて子供3人と車で走ってきた私が、初めて食した天塩グルメです。しじみのエキスたっぷり。滋味深い、そして疲れた体に染み渡るやさしい味でした。
牛と、牧草広がる大平原
「今はまだサロベツ原野も枯草色だけど、夏の天塩は、青々と茂った牧草地が本当に素晴らしいから、楽しみにしていてね」と、ある方がやさしく声をかけてくださったのが4月。
それからほどなくして、荒野だと思っていた平原に、牧草がどんどん生い茂っていきました。これまでの赴任地で、酪農地は未体験だった私たち。牛のいる風景に、そして、タンポポなどの花々と共に生い茂っていく牧草の様子に、ただ、ただ圧倒されました。
天塩は、「人の3倍、牛のいる街」です。
春から夏、過ごしやすい冷涼な気候の中、気持ちよさそうに草を食む牛の姿が印象的でした。まるで町全体が、牛の放牧開始と共に躍動感あふれ、活気付くようにも思えました。
容赦なく吹き荒れるブリザード
今年は雪が少なく、穏やかな冬だと地元の方はおっしゃいますが、12月にならないと根雪にならない、小雪の道南に比べたら、
やはり寒さと積雪量が違います。
そして、この吹雪!
たった100メートル先への買い物ですら、ホワイトアウトに陥る体験をし、命の危険を感じた冬でした。とにかく、食料、飲料水の買い溜めは必須。停電への備えも常に念頭におき、生活します。
まとめ
いかがでしたか?筆者が天塩で過ごした1年は、こんな感じでした。でも、私たちがこちらにやってきて、まず印象に残ったこと、
それは天塩っ子たちの輝く笑顔です。
まるで、ひと冬のあいだ、猛烈な吹雪による通行止めで、陸の孤島と化すこともある厳しい冬を苦ともしない、夏の壮大な青空と、草原の緑をうつしたような、輝く澄んだ眼差し。そんな皆さんの仲間に入れていただき、励まされ、1年を乗り越えることができました。
天塩良いとこ、一度はおいで!皆さんのお越しを、お待ちしています。