日本のてっぺんから車で1時間ほど南下した日本海側に、天塩(てしお)町があります。人口より牛の頭数が多い酪農と漁業の町です。「しじみ祭り」などのイベントも多くありますが、筆者のオススメは
”広大な大地を感じ、誰もいない無人駅の温かさに出会う旅”です。
どこまでも続く緑の「牧草地」
道北の冬は、雪におおわれ白一色ですが、5月の連休が終わるころには茶色の大地が顔をだし、枯れたように見えた草も、緑に変わります。そして、すべての生き物が、競うように生き生きと活動を始めます。
夏になると、牧草ロールが点在し、酪農地帯ならではの風景になります。筆者が移住当時「何もない!ここで暮らせるの?」と思った不安は消え、
大自然の感動だけが今も心地よく残っています。
オホーツク文化期の暮らしに想いをはせる「川口遺跡風景林」
天塩市街地より1.5kmの天塩川沿いに川口遺跡風景林があり、230基ほどの竪穴住居群が分布しています。復元された竪穴住居も2基あり、冬の寒さを防ぐために床面を掘り下げた室内を覗いて、当時の生活に想いをはせてみるのもいいかもしれません。
細長く伸びた砂丘林は、カシワの樹木などに覆われているので、バードウォッチングを楽しみながらの散策は、普段の疲れを取るリラックスタイムになります。
温かい人のつながりを秘めた「無人駅」
JR宗谷本線・雄信内(おのっぷない)駅の近くには、廃屋になった民家や商店しかありません。
10数年前に、この駅で下車し夫の迎えを40分ほど待ったことがあります。誰もいない駅の中に貼紙があり「待ち時間のある方は掃除をしてください」とあったので、クモの巣などを綺麗にして一息入れ、駅に置いてあるノートを見ました。
そこには「8年ぶりに訪れてとてもなつかしいです」「昔の栄えていた頃を想像します」「いつまでもこの駅がなくなりませんように」などとていねいな記入があり、寂しい駅のイメージは一転して、多くの人に愛されている場所だと知りました。
便利さが当たり前になった生活を離れて、知名度もない町に来てみませんか?
あなたの毎日を一新させる、自身の発見があるかもしれませんよ。
新しいあなたを見つける旅のお手伝いが出来る”天塩町”へぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。