北海道天塩郡天塩町。道北にある人口3,200人余りのこの町がなぜフリーランスから注目を集めているのか。今回のさすらいワークの目的のひとつは、天塩町がフリーランスを惹きつける魅力を探ることでした。

さまざまな事前リサーチを行う過程で、地元フリーランスの方からの推薦もあり訪れたコワーキングスペース「夕映」。この「夕映」こそが、地元で働くテレワーカーのみならず多くのフリーランス、中でもノマドワーカーを惹きつけて止まない魅力を存分に備えた施設であることを認識しました。この施設の魅力はまさに”天国”といっても過言ではない充実した設備の数々。それでは、2泊3日の天塩町さすらいワークの拠点となった「夕映」の魅力をフリーランス目線でお届けします! それではLet’s go!

天塩町「夕映」はコワーキングスペース+温泉+宿+グルメ!

(写真提供 天塩町)

「夕映」の特徴を一言でいうと、コワーキングスペースに温泉と宿とグルメが合体したもの。メインが何かという問いは無意味です。なぜならどの施設も高いレベルで充実しているから。つまり、何を目的にしても満足できるし、何ならここに住んでもいいくらいの居心地の良さを感じることもできるからです。

その魅力を伝える前に、簡単に施設の概要をご説明しておきましょう。

この「夕映」は、天塩町が管轄する施設ですが、指定管理制度を利用し運営は民間企業が行っています。場所は天塩町の中心部から車で3分程度走った鏡沼の近く。公共交通機関の本数が少なく、車での訪問が基本です。建物の前には広々とした駐車場が完備されているので駐車場所の心配もいりません。

建物は宿泊やコワーキングスペースを利用する人のための正面入口と、温泉施設やレストランを利用する人のための入口に分かれています。ただし、内部では繋がっているので間違っても大丈夫です。

正面入り口横にはフロントがあり、宿泊やコワーキングスペース利用の手続きはここで行うことになります。フロント横には24時間使えるラウンジや無料のドリンクサービスなどもあり、ちょっとした打ち合わせならばここでもできますね。

では、次にコワーキングスペースから見ていきましょう。

100人入っても大丈夫!? 広々としたコワーキングスペース

「夕映」のコワーキングスペースは建物の2F奥にあります。

階段を上って扉を開けると、目に飛び込んでくる広々とした空間! これはコワーキングスペースというよりもイベントスペース(もしくは大会議室)といったほうがいいかもしれません。100人くらいであれば余裕で入れそうな空間です。デスクとチェアはもちろん、各デスクにはコンセント口が備わっており、電源確保も問題ありません。もちろんwi-fiも完備。

このように通信速度も業務を行うには十分。何より他にwi-fiが飛んでいない場所のため相互干渉する心配も無用ですね。安心して作業に没頭することができます。

そして部屋の中央はパーテーションで仕切れるようになっており、片方はコワーキングスペース、片方はイベントスペースといった感じで使うこともできます。

また、隣接した小会議室は10名程度の打ち合わせやwebミーティングなどに使えそう。ドリンク類も先述の通りフロントまで行けば無料でいただけます。ただ、残念なのはプリンター類がないこと。通常のプリンターや大判プリンター、3Dプリンターなどがあればクリエイティブ活動拠点としても使えるのになあと感じました。

(写真提供 天塩町)

なお、この日は天気が悪かったためダメでしたが、晴れている日なら日本海に沈む夕日を窓から見ることもできます。ちょっとロマンチックですね。

泊まって食べて温泉に入って、仕事の後もここでワンストップリラクゼーション!

(写真提供 天塩町)

さすらいワークする場合、仕事環境ももちろん大事ですが、仕事後の「メシ・フロ・寝る」の3要素も大事。「夕映」では一歩も屋外に出ることなくこの3要素を満たすことができます。

そもそも「夕映」は温泉宿泊施設としての側面の方が強く、それだけに温泉と宿泊についてはかなりのこだわりを持っていることが館内いたるところで伺えます。

まずは仕事の汗を(デスクワークだから汗かかないけど)流しに温泉へ。地元九州も温泉大国なのでいろいろな温泉を経験していますが、夕映の温泉は今までに経験したことが無いくらい強烈な個性を持った温泉でした。

温泉があるのは施設の2F。コワーキングスペースとは逆側です。 男と書かれた暖簾をくぐると広めの脱衣所と奥にガラス扉。ここまではごく普通の温泉です。違うのは浴場に立ち入った瞬間のにおい。硫黄ではなく、アンモニアの強烈なにおいが鼻の奥まで刺激してきます。学生時代、化学の実験の時に、「薬品のにおいを嗅ぐ時は手で仰いで」という先生のアドバイスを守らず直接嗅いだ時にむせた経験は誰でもあるでしょう。まさにその時の記憶がよみがえってくるくらい強烈なアンモニアのにおいです。

黒褐色の色をしたお湯はめちゃくちゃ塩辛く、まるで海水のよう。湯船に浸かってみると、傷口が痛い痛い。乾燥して肌荒れした足のかかとからくるぶしにかけての部分がひりひりします。傷口に塩を塗るということわざの意味を思い知りました・・・。

とはいえ、不快な感じは一切しません。昔から湯治場として栄えたこの一帯の温泉は高い効能を誇っており、特に肌荒れやアレルギー性皮膚炎などに効くとのこと。その通り、肌はすべすべになります。男なのに。

宿泊する部屋も綺麗で静かです。聞けば2018年にリニューアルオープンしたばかりとのこと。ベッドマットもふかふかでぐっすり寝ることができました。

たくさんのノマドワーカーを受け入れたいが現状は思惑とはやや異なるそう

このように多くの魅力を持った「夕映」ですが、連日多くのノマドワーカーでにぎわっているかというと、実のところそうではないのです。

役場の担当者の方に聞いたところ、公共事業従事者の利用が圧倒的に多く、コワーキングスペース一体型施設としての利点をいまいち活かせていないとのこと。原因はいくつもあり、単純に解決することは難しいのですが、役場の思惑通りには進んでいないのが現状です。

とはいえ、フリーランス(さすらいワーク)としてこの施設を利用してみた感想としては、短期~中期ステイの拠点としては何ら申し分ないということ。仕事中も仕事後も施設内で過ごせるというメリットは大きく、かつ温泉やグルメも楽しめるとあればここをノマドワークの1拠点とすることは大きなアドバンテージになると思います。

まとめ

ここ「夕映」は、期間の長短を問わず天塩で働くことに対する魅力アップの一要素となっているのは事実。自然を感じながら心身ともにリラックスして仕事に集中できる環境は、フリーランスならばそのありがたみを十分理解できると思います。

個人的にここの温泉は「わざわざここに来て体験したい」と思わせるのに十分なインパクトと魅力があると断言できます。みなさんもぜひ一度、この衝撃を体験してください。