温暖な地で知られる南房総は、日本で一番遅い紅葉と、関東で一番早い春が訪れます。その見頃は長く、紅葉は11月中旬から12月中旬、花のシーズンは12月から5月初旬にわたります。タイミングが合えば、1日で2つの季節を味わえる、そんな奇跡のドライブ体験を紹介します。
秘境感たっぷり。沢山不動堂とかじか橋散策
南房総ではメジャーな立ち寄りスポットの「道の駅三芳村 鄙の里(ひなのさと)」から北に車で約15分。途中狭くてちょっと不安になる山道を抜けた先にあるのが沢山不動堂です。駐車場の右手から始まる秘境感たっぷりの遊歩道を進むと、南房総にはめずらしい吊り橋「かじか橋」越しに本堂が目に入ります。軽い高度感を味わいながら渡ると眼下に不動七滝の一つを臨むことができます。
安房の名工、後藤義孝の手による彫刻に飾られた本堂は安房国三十六不動尊霊場第三十四番札所でもある古刹(こさつ:由緒ある古いお寺)。安産、商売繁盛、学業成就に霊験があるとのこと。賽銭を入れ参拝後、色づいた楓(かえで)を見上げながら舗装の道を進み、駐車スペースに戻ります。
1300年以上も続く寺院は南房総随一の紅葉スポット 癒しの副住職がお出迎え 「小松寺」
奈良時代、役小角(えんのおづぬ)によって建てられた庵に発するという歴史ある小松寺は、別名もみじの寺ともいわれています。全国の紅葉が終わりを告げる12月に見頃を迎えることから、週末にはシーズン最後の紅葉を楽しもうとする人々が多く訪れる近年人気のスポット。
深山の雰囲気たっぷりのイチョウの落ち葉が敷きつめられた参道を進み、楓に彩られた朱塗りの仁王門をくぐると、薬師如来をご本尊とする本堂、梵鐘(ぼんしょう)を提げた鐘楼(しょうろう)に薬師堂を擁する境内に入ります。そこに参拝客を見守る副住職の猫「たま」がお出迎え。売店の甘酒とともに心癒されます。お寺の向かいにある池をめぐり紅葉を満喫したら、春に出会いに出発しましょう。
冬を飛び越えて春を見つけた 道の駅おおつの里 花倶楽部
紅葉を満喫した次は、南房総の特産の花を楽しもうと「道の駅おおつの里 花倶楽部」にやってきました。総面積4,000坪の敷地内にある大型ハウスは無料で入園でき、雨や寒さの日にも安心の施設です。
南房総の花シーズンは始まったばかりですが、すでに冬の花であるストックやキンギョソウが咲き始め、この日も花摘みを楽しむお客さんが来園していました。これから年明けのシーズン本番に向けて花の種類や量も増えていきます。色鮮やかで春の香りに包まれた花観賞を楽しんでください。
有料の花摘みもおススメ。花の選び方や持ち帰った後も長く花を楽しむための水切りの方法も詳しく教えてもらえます。花摘みをする場合は閉園の1時間前までにはお越しくださいね。
まとめ
南房総では秋と春を一度に味わう…、オーバーかもしれませんが、そんな新感覚の体験もできます。とはいえ、寒い時期に変わりはないので、防寒対策は万全にしてお出かけくださいね。みなさんもぜひ、南房総の癒しスポット探しをしてみてはいかがでしょうか。
沢山不動堂
所在地:千葉県 南房総市 上滝田沢山
TEL:0470-33-1091 南房総市役所商工観光部観光プロモーション課
アクセス:道の駅「道の駅三芳村 鄙の里(ひなのさと)」から約15分/駐車場あり 無料
檀特山小松寺
所在地:千葉県 南房総市 千倉町大貫1057
TEL:0470-44-2502
アクセス:富津館山道路「富浦IC」から約30分/駐車場あり 無料
URL:https://www.komatsuji.jp/
道の駅おおつの里 花倶楽部
所在地:千葉県 南房総市 富浦町大津320
TEL:0470-33-4616
アクセス:富津館山道路「富浦IC」から約5分/駐車場あり 無料
URL:http://www.hana-kurabu.jp/index.html
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