自然がいっぱいある場所で子育てがしたいと、田舎への移住を考えている人は多いけれど、実際田舎での子育ってどうなの?と不安に思うことも多いですよね?

そこで、生粋の”南房総人”であり、3人の娘を育て、保育士歴36年、現在は南房総市の保育所長をしている、鈴木弘子先生(以下:鈴木さん)に、東京出身で南房総での子育て歴1年半の私が、話を伺いました。

鈴木さんは、南房総市和田町(2006年に7町村が合併する前は、安房郡和田町)に生まれ育ち、24歳で同じ和田町の家に嫁ぎました。3人の娘に恵まれ、保育士を続けながら、子育てをしてきました。

合併し南房総市ができて、子育て支援センター「ほのぼの」開所と同時に所員になり8年、そして2017年4月から現職の和田保育所長を務めています。

子育てで大切な3つのこと

—子育てで大切なことは、何ですか?

1つめは、子供は一人で育てられない。夫婦、祖父母、親戚、地域の人の力で育てていくこと。2つめは、子供は『よく寝る、よく遊ぶ、よく食べる、自己肯定感をもつ』こと。3つめは、ママ達が楽しく笑顔でいられることです。

南房総での子育てのメリットは?

—南房総で子育てをしてきてよかったことは、何ですか?

地域の人達が、地元の家はもちろん、移住してきた家も、どの家に子供がいるということを、知っています。子供が中学生の頃、地域の人が学校の行き帰りを見守ってくれていました。

—南房総で子育てする、いいところは何ですか?

せかせかさせられないで、静かに育てられます。子供が安心して動ける場所があり、自然にあるもので遊べます。子供の声などを、近所に気にする必要がありません。

—南房総の保育園のいいところは、何ですか?

都市部の保育園は、園庭が狭いところや、ないところもあり、近隣の公園を巡っていることもあるけれど、ここなら広い園庭があり、子供がのびのびと走り回れます。ときどき園を出て散歩に行っても、どんぐりが拾えるような自然に触れる場所がたくさんあります。園庭で野菜を育て、収穫したものを給食で食べる機会もあります。

南房総での子育てのデメリットは?

—赤ちゃん用品や子供服などを買える店が近くにないと感じませんでしたか?

昔から住んでいたので、これが普通で、そう感じたことはありません。都市部から来た人達は、そう感じるかもしれませんね。けれど今は、ネットで購入できるので、そんなに不便はないと思います。

—子供が通学するのに、交通が不便ではないでしょうか?

現在は、南房総市内の幼稚園から小中学校まで、通学支援としてスクールバスが利用できます。高校生になり電車通学になると、たしかに電車の本数は少ないけれど、みんな電車に間に合うように出てきます。時間を守ることが習慣になります。

—子育てで大変だったことは、ありますか?

子供が小さいときは、病気がちで毎週のように、医者に飛び込んでいました。働きながらだったので、子供の入院を望んだ時に、医者に「子供を入院させるというのは、どういうことかわかるか!」と育児放棄のような言い方をされて、思い出すと今でも涙が出てきます。(本当に涙を流されました。)

まとめ

自然豊かな環境で、のびのび子供を育てるには、とてもいい場所です。不便さはあるけれど、昔に比べれば、解消されてきています。南房総に移住したくなりましたか?