いろいろなことを見て聞いて知ってと、かなり充実した3泊4日の奄美さすらい体験。その期間中に、奄美市へ移住してきたフリーランス2人にインタビューする機会に恵まれました。

彼ら彼女らは何を想いこの地へ移住し、これから何を目指していくのか、いろいろ気になることを本音で語っていただきました。

まずはKIKURA(藤井菊美)さん。ハンドメイド作家であり、イベントプロデューサーであり、マコモ農家でもあり・・・。インタビューの間、「いったいこの人はいくつの顔を持っているんだろう」と思わせるほどの多彩な働き方を実践している移住7年目の方です。

今や地域集落にすっかり溶け込み、豊かな発想力を生かして新しい働き方を実践している彼女に、その秘訣とこれからの生き方を聞いてみました。

震災をきっかけとして2週間で移住を完結させる行動力

「子どもの将来を考えたら移住がベストだと思ったんです」 

移住の理由についてこう語るKIKURAさん。2011年3月。北関東のとある都市で夫と小さな子どもとともに幸せな生活を送っていたKIKURAさんは、東日本大震災の被害を目の当たりにして地方への移住を検討し始めました。

しかし、4月には子どもが小学校に入学するという時期。移住が決まったら転校させるというのも子供にとってつらい思い出になると考え、「4月の入学に間に合うように移住する!」と決心したそうです。

決心してから移住完了までわずか2週間。実はこの行動力こそがKIKURAさんの「生き方」であり、移住後の「新しい働き方の実現」につながっているといっても過言ではありませんでした。

羊毛フェルトを使ったハンドメイドアクセサリーの世界へ

 

「これ、かわいいでしょ?」

そう言って取り出したのは、KIKURAさんが制作した羊毛フェルトを使った動物のアクセサリー。自ら製作・販売を行うかたわら、ワークショップを開催し地域の方々にハンドメイドの楽しさ・素晴らしさを広げる活動も行っています。

これに並行して『こども手熟師会』という、羊毛フェルトに限らず子どもたちにハンドメイドの楽しさを知ってもらうイベントも主催しており、そちらのイベント会場は地元の子どもたちで毎回大盛況となっています。

また、株式会社しーま発行のグルメ雑誌『みしょらんガイド』の最新号の表紙には山盛りの鶏飯がビジュアルイメージとして使われています。

実際の食材を使ってこの山盛り鶏飯のビジュアルイメージを製作したのがKIKURAさん。鶏飯の”山盛り感”や色のバランス、表紙にしたときの見せ方などさまざまな工夫を凝らしているのがうかがえる作品に仕上がっています。

この最新号の表紙を含め、過去に発刊された雑誌の表紙はすべてKIKURAさんが手掛けたイメージやオブジェを使っています。ハンドメイド作家という肩書では収まりきらない活躍をしていることをあらためて実感する話ですね。

マコモの魅力に取りつかれ島内移住を決意!

「実は私、今マコモ推しなんです!」

ハンドメイドの話で盛り上がったと思ったら次はマコモときました。ちなみにマコモとはイネ科の多年草であり、ここ奄美ではマコモ茶として親しまれています。

緑豊かな風味が特徴であり、苦味やクセが無くて飲みやすいお茶として徐々に知名度が高まっているお茶とのこと。

「マコモが好きだと公言したら、地域の人に龍郷町の空き家を紹介してもらい、最近そこに引っ越しました」

つまり、マコモの魅力に取りつかれ、自らの手でマコモを育てるため龍郷町のマコモ栽培エリアへ引っ越しを敢行したというのです。この行動力!思い立ったら即行動に移せる”自由さ”も地方在住フリーランスの強みでしょうか。

今ではマコモ茶作り体験ツアーの講師を務めるなど、マコモ伝道師としても活躍しています。

最後に、今後の”野望”を聞いてみました。

「おかげさまで、移住してもう7年になりますが、いまだにわくわく感を抱きつつ過ごすことができています。やりたいことが多くて自分があと5人欲しいくらい(笑)。地域の人達からは、休耕田の復活やマコモ茶栽培の6次産業化など、私の行動力・実行力に対する期待を感じることもあります。その期待に応える働きをこれからも続けていきたいですね。」

まとめ

「ここ(奄美)ではいろんな仕事をできる。何かを公言するとあちこちから声がかかるんですよ。」

これが奄美の最大の魅力だとKIKURAさんは言います。確かにKIKURAさんの仕事のフィールドは多様であり、そのどれもが結果的に地域のニーズを拾い上げ地域に貢献していることを感じます。

それを後押ししているのは、KIKURAさんの勇猛果敢な行動力と好奇心旺盛な性格ではないでしょうか。またそれを支える地域の方々の暖かい支援の手も魅力です。奄美でフリーランスとして活動するのも悪くないなと思わせるインタビューでした。

次回は東京から移住してきた元IT系ビジネスマン、田中良洋さんのインタビューをお届けします。

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