いろいろなことを見て聞いて知ってと、かなり充実した3泊4日の奄美さすらい体験。その期間中に、奄美市へ移住してきたフリーランス2人にインタビューする機会に恵まれました。

その第2回目となる今回は、東京でIT系ビジネスマンとして働いていた田中良洋さん。何を想いこの地へ移住し、これから何を目指していくのか、前回のKIKURAさんに続きいろいろ気になることを本音で語っていただきました。

2人目となるのは田中良洋さん。自らブロガーとして離島への移住生活を発信するとともに、地域からの依頼を受けて講師としての活動やドローンを使った映像クリエイター活動など、いくつもの顔を持って活躍しています。マルチな才能を発揮し、今や地域から必要とされる存在へとなった彼は、奄美のフリーランスを代表する”顔”としてさまざまなメディアにも登場しています。

元IT系ビジネスマンが離島で働くフリーランスへ

アメリカの心理学者が唱える「メラビアンの法則」をご存知の方も多いでしょう。人は初対面の相手を表情や立ち居振る舞い、見た目などの第一印象で判断するというものです。

その意味で言うと、田中さんの第一印象は「あ、この人に仕事をお願いすれば安心して任せることができる」という信頼できるビジネスマンに感じる印象そのもの。スーツこそ着ていませんが、話し方や表情などはビジネス戦線を生き抜く頭の回転が速いデキるビジネスマン然としたものでした。

それもそのはず、田中さんは移住前に東京や神戸などでITコンサルタントをしており、病気をきっかけに自然豊かな奄美へ移住を決意したという経歴の持ち主です。感じた第一印象はまさにその通りで、移住からわずか2年で自ら積極的な働きかけをせずとも信頼を勝ち得て、幅広い仕事が次々と舞い込んでくるという、非常に恵まれたポジションを確立するに至りました。

ブログ運営とドローン撮影と

元々ワンゲル部で自然が大好きだったという田中さん。移住前に一度与論島でインターンを体験し、ますます離島生活への興味を深めます。いずれ島に関わる仕事をしたいと決意し、2017年に奄美市へ移住。それまでもフリーランスとしてフラッシュモブ企画などを行ってきましたが、移住を機に本格的に離島で働くフリーランスとしての活動を開始しました。

とにかく島の豊かな自然が魅力と語る田中さんは、島に来てからさまざまなアクティビティを開始。仕事の傍ら素潜りやダイビング、ウェイクボードなどを楽しんでいます。

一方でフリーランスとしての活動も幅広く、「離島ぐらし」ブログの運営をはじめ、ライターとしてSEOライティング記事を手掛けたり、またSEOライティング講座の講師として登壇したりしています。

あわせて、奄美の自然を映像化して発信する映像クリエイターとしての顔も持ち、ローカルTVメディアに素材提供するほどの実力もあります。他にも地域イベントの企画や高校生に向けた進路指導など、島のありとあらゆる場面で活躍しているのです。

自然といろいろなところから声がかかって仕事が広がっていく

なぜここまで仕事の幅を広げることができるのか、それは「フリーランスとして働きやすい環境を奄美市が提供してくれているから」と田中さんは語ります。

フリーランス支援窓口を設けるなど自治体としても積極的にフリーランスを支援しているため、フリーランスという立場で自由に活動することができ、「これやってみない?」という感じで自然と仕事の声がかかるそうです。

実際、自ら積極的に営業活動を行うわけではなく、Twitterやインスタグラムでこれまでの活動を紹介するだけで声をかけてもらうこともあるそう。

ただ、田中さんから見て奄美は「まだまだこれからの場所」だそう。というのも、沖縄ほど観光地としての魅力もなく、情報発信も後手に回っているから。もっと奄美の魅力を発信するフリーランスが増えてくれば、より地域の魅力も増し多くの人を引き付けられる場所になると考えています。

ただし、都会の人間がいきなり離島でフリーランスをやるには少々ハードルが高いのが事実。自然の豊かさだけに目を奪われて移住しても成功にはつながりません。

移住を成功させるためには、都会からいきなり離島に来るのではなく、一旦地方の都市部へ移住し、そこから離島などへ行く二段階移住がおすすめというのが田中さんの持論です。

今後は、これまでと同様に離島移住に関する情報発信をはじめ、奄美市のフリーランスの”顔”として自らの経験を他の人に伝えつつ、外貨を稼ぐ(=島の外からのお金を引っ張って来る)方向にも力を入れていきたいと語ってくれました。

まとめ

人と人との結びつきが強い離島だからこそ、紹介そのまた紹介でどんどん仕事が増えていき幅も広がっていく。まさにこのことをリアルで実現している田中さんの生き方は多くのフリーランスの参考にもなり、励みにもなると感じます。

専門的なスキルを極める働き方ではなく、自然と対話し、思うままに生きながら地域の声を拾って徐々に実現していく働き方。フリーランスとしての形はいろいろありますが、田中さんのような働き方がよりフリーランスらしい”新しい働き方”じゃないかなと思いました。

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