フリーランスとして働く上で何が必要か。

北海道天塩町には、フリーランスが何を望み、何が今足りないかをじっくりと考え施策化する担当者の方々がいます。

今回のさすらいワーク期間中、天塩町役場の担当の方々にこれまでの取り組みや今後の方向性などをインタビューする機会に恵まれました。その内容を皆さんにも知っていただきたいと思い、2回に分けてインタビュー記事としてお送りいたします。

天塩町とはこんな町

(写真提供:天塩町)

北海道の北部、いわゆる道北の日本海側に位置する天塩町。面積は353.56k㎡と東京23区の半分よりもやや広いくらいの場所に人口3000人強が暮らす自然豊かな町です。

漁業や酪農が主要産業であり、1次産業比率が30%超え。これらの産業に何かしらかかわっている住民は多く、まさに自然と共生する町と言えます。

実際にさすらいワーカーとして訪れた際も、空の広さや自然の匂いといった”心地よさ”を何度も実感することができました。やや天候に恵まれなかったことだけが残念ですが。

天塩町に住む子育て世代の働き方改革を進める

農林水産課 農政係 係長 藤原様

さて、そんな天塩町の取り組みの一つに、子育て世代の働き方改革があります。前述の通り天塩町は自然に恵まれています。自然に恵まれているということは、それだけ自然と戦う必要もあるということ。実際、天塩町の冬は厚い雪に覆われ、酪農などの主要産業においてさまざまな生産活動が停止してしまうのが現状です。

従って、特に子育て世代において、複業的なものを含め家族全体で収入を上げていく取り組みが必要不可欠。「新しい働き方講座」の実施もその一環です。

今回の訪問でも受講生の方々数名とお話しすることができました。みなさんそれぞれ事情があり、いろんな壁にぶちあたりながらも懸命に取り組んでいる様子は心に響くものがあります。こういう地域コミュニティは一朝一夕では作り上げることはできないもの。役場の方々の努力の跡がうかがえます。

自ら考えて行動できる人材を育成する

総務課 主事 佐藤様

その他にも、子育て世代だけではなく町の将来を担う子どもたちを対象としたスポーツマンシップチャレンジや、Pepper社会貢献プログラムスクールチャレンジなどさまざまな施策を導入しています。

中でもPepperを使ったプログラミングでは、全国コンテストに出場するなどの実績を持ち地域内におけるIT脳の育成に大きな結果を残しています。今までは進学や就職を機に町を出る若者が多かったのですが、今後は子どもたちが学校で学んだITスキルを活かして町内で独立するなど、新たな動きに期待を寄せている様子を感じ取ることができました。

コワーキングスペース夕映をリニューアルしテレワーク体験を促進

町に住む専業・兼業フリーランス、および全国を旅するノマドワーカーにとって仕事場の確保は大きな課題です。天塩町では”泊まれるコワーキングスペース”として町内にある夕映を今年リニューアルし、より快適に仕事ができるよう投資を行いました。(詳細は夕映レポートにリンク)

これにより、他の地域からの短期体験移住を受け入れる環境も整備され、気軽にさすらったりフリーランス同士の交流を持ったりすることができるようになりました。この施設の充実度はとにかく驚きの連続。ここに短期間籠って合宿してみるのもよさそうだなと思いました。

まとめ

このように天塩町では役場のバックアップを受けフリーランスが働きやすい町へと徐々に変貌を遂げています。次回はそんな天塩町の食の魅力と6次産業化を目指す取り組みについてお伝えします。