「食」を通じて西海市(さいかいし)の魅力を発信する料理人、津本シェフをご紹介します!

東京、大阪、福岡などのホテル、レストランで腕を磨き、台湾、フランスシャンパーニュ地方での研修や、ソムリエの田崎真也さんの付き人などを経験。

長年にわたり修業を重ね、2015年に地元の西海市に帰郷して独立。起業をして新たなスタートをきった津本真砂幸(つもとまさゆき)さんの、地元に寄せる思いをインタビューしました。

食を通じて地域ぐるみの6次産業を、地元で成り立たせたい

ーーなぜ人口の多い都会ではなく、西海市で独立しようと思われたんですか?
津本シェフ:6次産業(※)に興味があり、食を通じて地域ぐるみの6次産業を地元で出来ないかと思ったんです。自分単体で出来ることは限られているので、地元のネットワークを強みにして色んな職業の人たちとコラボして力を合わせたら、すごいことになるんじゃないかって思いまして。

ーーなるほど。地元から外に広げていきたいという想いもありますか?

津本シェフ:6次産業を営業の基盤にして、将来的に国内はもちろん世界からもお客様を呼べるオーガニックレストランを、西海市でやれたらいいなと思っています。

農林水産省公式サイト
※6次産業:「農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出」のこと

実家のミカン倉庫をセントラルキッチンに改装して仕事の幅が広がった!

ーーレストランで地元の食材を使いフランス料理をもとにした創作料理を提供するほか、出張料理やイベントでのフードプロデュースなども手掛けているんですよね。

津本シェフ:はい。もともとは「フレンチとシャンパンが気軽に楽しめる」をコンセプトにしたお店を営業していましたが、いろいろな事情から店舗の営業だけでは経営がむずかしくなりまして……。

そんなときにたまたま地元の青年部の方から、婚活パーティーのケータリングビュッフェの依頼をもらいました。さらに無人島田島(たしま)の方から食材や料理のケータリングのお話をいただき……。このような依頼をもらったことで、「いろんなところでの料理提供が可能なんだ!」ということに気づかせてもらって、視野が広がりました。

ーーお店以外で料理を提供するには、工夫も必要なのではないでしょうか?

津本シェフ:帰郷してすぐ、実家のミカン倉庫をセントラルキッチンに改装し瞬間冷凍機や真空パックの機械、その他什器をそろえて料理の仕込みが充分に出来る環境を整えていました。そのおかげで店の中にとどまらない料理の提供スタイルが実現できたんです。

-ーお店の設備を整えていたからこそ、ケータリングが可能なんですね!

津本シェフ:調理工程をほぼ終わらせた状態の料理を真空パックして瞬間冷凍することで、キッチンの設備が十分でない場所でも仕上げ工程だけで本格的な料理を味わっていただけるんです。仕込み次第でさまざまな料理提供が可能で、瞬間冷凍によって解凍時に食材にかかるストレスもなく、おいしさが損なわれません。

近い将来、西海市を全国区に!と意気込む津本シェフ。

ーー西海市の味覚を、西海市以外の方に食べていただきたいという想いもありますか?

津本シェフ:そうですね。私は地産地消はもちろんですが、地産他消も大事だと考えています。地元での消費だけではなく、都会に向けたアプローチが大事だと思うんですね。

生産性を意識することで、もっと質の良いものができあがっていきます。今後もさらにセントラルキッチンをフル活用した生産性の向上と、無人島やレストランでの料理パフォーマンスの質を高めるなど、いろいろな場所やスタイルで地元西海市の魅力発信していきたいです。

ーー西海市がより活性化するために、津本シェフが重要だと考えることは何でしょうか?

津本シェフ:ぼくの中では、地方創生のキーポイントは「地域ぐるみ」や「地域でコラボ」です。6次産業にかかわり、生産者と製造、流通、販売の繋がりの輪をどんどん強めていって、西海市地域活性のとんでもない起爆剤になりたいです!

まとめ

今回の取材を通して、起業して間もないピンチの中からチャンスをみつけ出す、津本シェフのぶれない姿勢を感じました。今後のご活躍からも、目が離せません!