現在、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍している川越旭さん。昨年には「Lancer of the Year2018」デザイナー部門を受賞するなど、丁寧な仕事ぶりが高く評価されています。
独立前はレディースアパレルブランドのデザイナーとして5年間、企画営業として1年間の会社勤めを経験、約7年前にフリーランスとなりました。そして独立から1年ほどで、東京都内から千葉県流山市に移住。
多くのクライアントが集まる東京から離れた理由、流山でのフリーランス生活についてお聞きしました。
将来の子育てを見据え、都内から流山市へ
――フリーランスとして独立するまでの経緯を教えていただけますか?
10年ほど前に、副業からスタートしました。最初はそれまでの仕事でご縁のあったところから始めて、紹介などで広げていく感じで。3年くらいで軌道に乗ってきて、これなら1本で食っていけるかも、という感触が得られるようになってきた。それで独立を決めました。
――独立から1年で流山に移住されたのですね。
それまで浅草の近くに住んでいたのですが、結婚を機に、子どもを持つならもっとのびのびと過ごせる場所に住みたいな…と思うようになりました。まだ見ぬ子どものため、というのが移住したいちばんの理由ですね。
――なぜ流山を選んだのですか?
住む場所を探し始めた当時、流山市が子育て世代に向けて大々的にPRしていたんですね。それで実際に行ってみると、街の雰囲気がゆったりしていて、自然も豊か。市がアピールしていた子育て施策の充実ということだけでなく、そうした環境の良さも気に入って、移住先を流山に決めました。
今でこそWeb上だけで仕事が完結することもありますが、当時は直接クライアントに会う機会も多かったので、東京から離れすぎずアクセスがいい点もポイントでしたね。
電車の時間を気にせず車で自由に動き、自然に癒やされる生活
――流山での生活で気に入っているのは?
何より、自然に溢れていること。近くに大きな公園もたくさんありますし、車でちょっと行けば川や畑が広がる風景があり、いつでも自然と触れ合えるのが大きな魅力です。そうした環境のせいか人も穏やかで、のびのびと子育てできるまちだと感じています。
あと、車で動けることですね。都内は駐車場代が高くて、車を持とうともなかなか思えませんが、ここなら持てる。時間に縛られない、自由に動ける移動手段を手に入れられたのは自分にとって大きいですね。
――では、実際に住んでみて大変だったことはありますか?
うーん…(しばらく考えて)思いつかない(笑)それだけ流山が気に入っているということですね。あえて言うならば、ふらっと行けるような場所に気の利いた飲食店がないことでしょうか。これは、都会から移住した人なら皆感じることだとは思いますが。
ランサーズは、地方に住む人にとって最高のプラットフォーム
――ランサーズへはいつごろ登録されたのでしょうか?
副業を始めて間もない2010年頃、ネットで検索していてたまたま見つけたんです。ただ、当時はデザイン系の案件はほとんどなかったので、登録だけして2年くらいそのままになっていました(笑)しかしある時、ふと思い立って覗いてみると、デザイン案件が驚くほど増えていた。それを見て「本腰入れてやってみよう!」と思ったのです。
1週間のうち2日をランサーズ掲載の案件への提案に注力する日と決めて、ひたすら行動する日々が始まりました。
――そうした努力の積み重ねが、「Lancer of the Year 2018」受賞につながったのですね。
最初のうちは、金額は気にせず、とにかく気になる案件すべてに提案し続けました。ひたすら続けていると、だんだんコツみたいなものも掴んできて、提案が通るようになってきました。すると、それに伴って実績と評価も積み上がってきて、さらに仕事が獲得できるようになるという好循環が起きてきます。2年くらいで目に見える成果が出てきて、それを継続できたことで目に留めていただいたのかな、と思っています。
――川越さんが考える、ランサーズ活用のメリットとは?
フリーランス個人では出会えないようなビッグクライアントの仕事を手掛けることができることではないでしょうか。ランサーズは誰もが名前を知っているような大手企業も利用しているので、「こんな大企業と仕事ができるなんて!」ということもよくあります。大手のクライアントはやはり東京がメインですが、ランサーズならどこに住んでいてもそうした大企業の仕事を得られるチャンスがあります。
ビッグクライアントの仕事を、実績としてポートフォリオに入れられることは大きい。実績づくりには最高のプラットフォームだと思います。
都心を離れることを恐れる必要はない
――「フリーランスは不安定」というイメージを持っている人も多いですね。
確かにそう言える側面もありますが、もはや会社員でいることが「安定」ではない時代だと思います。トヨタほどの大企業でさえ、終身雇用の継続は難しいと言うようになったくらいですから。フリーランスは、頑張れば頑張っただけ成果が出る働き方。やりたいことがある人、時間や住む場所の自由が欲しい人はやってみる価値がある。まずは副業からでも、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
――最後に、移住や多拠点居住を目指す方へのメッセージをお願いします。
自然豊かな場所、もっとゆったりと過ごせる場所で暮らしたいと思っても、仕事上の不安から都心を離れることを躊躇する人も多いと思います。お客さんと会いにくくなる、そうすると必要とされなくなって、仕事を失ってしまうのでは…と。しかし、そんなに怖がる必要はありません。リモートワークは思った以上に進んでいます。
リアルで会わなくても、打ち合わせから納品までWeb上で完結できる仕事も増えています。仕事のために都心に居続ける必要はもはやなく、好きな場所に住むスタイルが多数派になっていくと思っています。自分の想いに素直に従って、一歩を踏み出してください。
好きな場所で自由に働く、そんな仲間が増えることを心から願っています。