2018年1月25日〜28日に、富山県南砺市を訪れました。岩手県八幡平市のPRポスター制作がミッションであった「さすらい合宿」に引き続き、さすらいワーク2度目の参加となりました。私は、さすらいワークに続けて参加することに価値があると感じていました。

さすらいワーカーの仲間とコラボ参加

昨年(2017年)9月におこなわれた、さすらいワーク説明会で南砺市を知りました。『なんと・わがまま移住ツアー』アテンダーの宮下直子さんがこれまでにおこなわれた「ソノトチワーク」について体験を交えて案内してくださいました。

10月に岩手県八幡平市のさすらい合宿へ参加をするのですが、その後12月に宮下さんより「南砺市にも来てください!」と、お声がけをいただきました。今回の企画は『南砺に移住したくなるショートPVコンペ』とのこと。参加したい気持ちでしたが、ライターの私は困ったことに動画作成にまったく自信がありません。

そこで、「さすらい合宿PR隊」で動画作成に携わった、さすらいワーカー仲間の三村恵さん(以下、めぐさん)を誘い、合作でコンペに参加をすることが決まりました。

移住とは「人」である

南砺市を訪れる前に、東京で説明会がありました。宮下さんと3ヶ月ぶりの再会です。その他に、アテンダーの松本八治さん、南砺市役所「南砺で暮らしません課」の富田新之助さんが今回の企画について案内してくださいました。

説明会当日のみならず、訪れたい場所などについて訪問直前まで幾度もやりとりをさせていただきました。南砺市には世界遺産である五箇山をはじめとして、名勝・景勝地がたくさんあります。もちろん、さまざまな場所へ足を運びたいという気持ちもありました。

しかし、今回のテーマは「移住」です。インターネットや本で調べれば分かるようなところへ行くなら観光で良いのです。

やっぱり移住となれば「人」だ。そのように考えました。

リアルな南砺市を伝えたい

フリーランスのさすらいワーカーができること。南砺市のことを詳しく知らない私たちが紹介するのだから、足を運んで感じたリアルな南砺市を伝えよう。私たちが楽しければ、楽しいPVが出来上がる。そうでなければ…。

めぐさんから「南砺市を知らないまま、行き先を決めないで行った先で知り合った方にお話を伺った方がおもしろいのでは」と提案があり「それだ!」と思いました。

何かのご縁でしょうか。私とめぐさんの地元である千葉県から移住されたご夫婦が南砺市へ移住をしてゲストハウスをオープンさせたばかりということを宮下さんが教えてくださいました。

南砺市を訪問する前に立てた予定は、移住者が営んでいるゲストハウスに取材へ行くことのみ。後は現地での出会いや感じた出来事で動画を作ろう。私たちのコンセプトはそのようにして決まったのです。

(千葉県から移住した、多賀野夫妻についてはめぐさんのさすらいレポートをご覧ください)

懇親会でつながる思いがけない出会いのご縁


南砺市に着いた初日の夜に、アテンダーの松本さんが懇親会を開催してくださいました。地元の方はもちろん、動画作成ツアー参加者など多くの方と素晴らしい出会いがありました。この懇親会の場で私たちが作るPVの企画に関わってくださる方とご縁をいただくのでした。

その方は、漫画家の石岡ショウエイさんです。

全国的に有名な週刊少年漫画雑誌に連載なされていた漫画家さんと、南砺市でご縁をいただくなんて思いもよらないことでした。首都圏で過ごすなかでも、そのような機会はありませんでしたから。

私たちは、石岡さんと初対面であるにもかかわらず取材を依頼しました。突然のお願いでしたが快くお受けくださり、2日後に仕事場があるご自宅へお伺いさせていただくことになったのです。

Uターンよりも移住者に寄り添える立場

石岡さんは、気さくな方で「ショウエイと呼んで」とおっしゃってくださいました。私たちはかしこまって「先生」と呼んでいたのです。

ショウエイさんは、ふるさとを離れて東京で漫画雑誌に連載を持っていたのですが、病気により漫画を休筆して南砺市に帰ってきました。


いわゆるUターンと呼ばれるケースですが、ショウエイさんは、「Uターンよりも移住者に寄り添える立場」だとおっしゃいました。それは、東京で働けなくなって南砺市に帰ってきたショウエイさんが、「自分の地元で知らないところがあると気付いた」ことでした。

フィクションを生み出す非日常がここにある

おそらく物事については、そう変化があった訳ではないと思うのです。都会の喧騒を離れて、我がふるさとで再び暮らすことになったショウエイさんが、今まで見えなかった、さもすれば見ようともしていなかった景色や感覚、感情にフォーカスすることできっとそう思ったのでしょう。

「時間の経過や季節の変化で、日常を過ごす半径300mの世界において景色が変わっていくんです。例えば、雪かきひとつをとっても『面倒くさい』と片付けるのではなく、良い部分と悪い部分があると思うんです」

雪国において、冬の雪かきはそれこそ避けることができない日常です。雪との向き合い方を例にして、地元に対する思いを伝えてくれました。

「まっさらな雪を、自分が初めてズボズボ踏みしめると爽快な気持ちになります。さらに、雪かきをする時に上手に効率よくかき出すにはどうしたらいいか。というようなことを考えながら雪と向き合っているうちに、とかく面倒くさいと思うこと自体に楽しさを感じてくるんです。そんな日常の風景における振り幅を、感じて心が動くタイミングがあるのです。その場面が多くある方が良いですね」

ショウエイさんは、時にまぶたを閉じながらひとつひとつの言葉を噛みしめるかのように語ってくださいました。

「南砺市の日常が楽しい。心を揺さぶるエンターテインメントのように、生きているという実感があります。そして、ここ南砺市にはフィクションを生み出す非日常があるんです」

観光客から住民へと変わる過程を楽しんでほしい

最後にショウエイさんに南砺市へ移住を考えている方々に向けたメッセージをお願いしました。すると、照れくさそうに答えてくれました。

「ご縁や偶然って、自分で選んだものではないですよね。移住を考えている方と私たち南砺市民とがこうやって出会えたことが一番大切だと思います。こうしてつながってしまったのだから、ちょっと覗いてみませんか。観光客から住民へと変わる過程を楽しんでほしいですね。南砺市に楽しめる要素はいくつかあります。ただ、ここならでは。というものではなく、インスピレーションで良いと感じてください。なんとなく、そう思うんです」

「なんとなく」とはインスピレーションのこと。移住を決めるのに形式ばった理由は必要ありません。まずは南砺になんとなく訪れてみてください。

きっと『ここに住みたい』と感じる出来事が待っているでしょうから。

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