旅行で何度も訪れ、住むなら南房総だ!と決め、家族の反対を押し切って移住をし、早2年半が経ちました。経験者の視点から南房総の良いところ悪いところをお伝えしたいと思います。移住を考えるときの参考にしていただけたら幸いです。

実際に住んでみて見えてくる観光とのギャップ

移住者向けの情報を見ると「東京から近く一年中温暖な気候で海の幸が美味しい」などハッピーなことばかりが書かれていますが、実際住んでみると何かと厳しい部分もチラホラ。

まず高齢化率は45.7%を超え、ほぼ2人に1人は65歳以上の高齢者です。そのためか、寂れた地域という印象が否めません。同時に少子化で学校の統廃合が進み、近所に友達がいないお子さんも普通にいます。車で送り迎えする機会も多く、お子さんのいる方は苦労が多いかもしれません。

また、南房総市にはチェーンの飲食店が1軒もありません。既存の飲食店は観光客料金で割高に感じられることが多く、外食するには不便です。

身近にあるちょっとした贅沢

移住しました、でも現実は…なんてことになると悲しいので、最初にネガティブなことをお伝えしました。

しかし、それらも含めて都会では経験できないことが盛りだくさんなのが南房総なのです。人間関係が希薄な都会とは違い、近所のお年寄りは豊富な知識や経験を気軽に伝授してくれますし、チェーンの飲食店が無くても道の駅の直売所に行けば常に旬の野菜や果物を安く買うことができます。

我が家には庭に柿の木があり、秋になると食べきれないほどの柿が収穫できます。南房総はビワの産地として有名ですが、高価なので自宅でビワを収穫しようと計画して去年、種を植えました。収穫できるまでいったい何年かかるのか、気が遠くなりそうですが、成長する木を見ているだけでも楽しい気分になるのは、都会ではまず味わえない贅沢ですね。

歩いて自分だけの南房総を発見

田舎に移住をする上で必要なのが車です。公共交通機関は1時間に1本あるかないか、という状況なので移動はどうしても車になります。そこであえて車を使わず、歩いてみることをおすすめします。

私の家からローズマリー公園まで車だと5分足らずで行けるのですが天気のいい日は家族と散歩がてら20分ほど歩きます。国道128号線、安馬谷交差点から海へ向かい最初のT字路を左折して道なりに進みます。その道のりにある海一望橋が私のおすすめスポットです。そこから見る景色は名前の通り海が一望でき周りは田園風景、後方には山並みが見えます。車で通過してしまうのは本当にもったいないです。

そのまま海まで歩くと白子海岸があります。海岸にウミガメが産卵に来るため、気候の良い時期には娘と海岸のゴミ拾いをしています。
ゴミ拾いは都会の場合「やらされている感」が強いですが、ここでは地元の海岸をきれいにしたいという思いで自発的かつ楽しみながらできてしまいます。そんな魅力がある場所です。

まとめ

私自身が移住した経験を今思い返すとさまざまな問題をクリアしたプロセスが、楽しい思い出となっています。もしこちらへ移住されたら、天気の良い日は近所を散策してみてください。五感の全てで季節を感じることができ、歩くことでしか見つけられない発見がありますよ。何より空気もキレイだし健康的な生活がタダで手に入ります。

一度来たら、また来たくなる。何度か来たら、住んでみたくなる。そんな魅力あふれる南房総でぜひとも小さな贅沢を見つけ不便な生活を楽しみましょう!

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