千葉県の郷土料理に“太巻き祭り寿司”があります。巻き寿司の切り口が、花や祝いの文字、お雛様や、鯉のぼりなどの祝いの模様になった、ハレの日の巻き寿司です。初めてその太巻き寿司を見たときの驚きと、感動を今でも覚えています。

家に帰って見よう見まねで真似して見ましたが、なかなか思うようにいかず、いつか料理教室で習ってみたいと思っていました。そんな体験教室が、鴨川のみんなみの里にあるという事で、小さな娘をつれて親子で体験してきました。

いざ、みんなみの里、花味結(はなみゆい)へ!!

南房総の鴨川市にある“みんなみの里”は地域に根付いた活動をする“地域交流センター”です。地域の農産物が手に入るだけでなく、その周辺で作られた様々なものが売られ、地域の歴史や文化、アートなどの幅広い情報を得られ、体験することのできる地域みんなの憩いの場所です。

そんな、みんなみの里で太巻き祭り寿司作りも体験できるとのこと。早速予約をとり地図をみていざ出発。みんなみの里にはよく行く私も、その近くにあるという食の体験工房“花味結”に行くのは初めて。のどかな田園風景は鴨川育ちなので見慣れたものでしたが、その予想を上回るのどかさに、こんな風景がまだ鴨川にもあるのだと、トトロの世界に迷い込んだ気持ちでドライブをすること数分。緑の家の“花味結”に無事に到着。そこには、三人の優しい先生が待っていてくれました。

はじめての太巻き寿司にチャレンジ!!

すいよう写真があり、和柄の細工寿司やパンダや犬などの動物、サンタクロースに父の日のお父さんの顔などお祝いの模様や文字、四季の花々など、本当に様々な種類から選ぶ事ができました。今回は、娘の希望と作りやすさから、カタツムリとバラの花を選びました。バラの花は見た目も綺麗で可愛らしいのですが、作業が簡単なので小さなお子様にはおすすめとの事でした。

使う野菜も卵も地産地消。お米は鴨川でとれ明治天皇献上米として地域でも愛される“長狭米”を使用しているそうです。まずは手を洗いエプロンを付けて、模様に合わせてご飯を測り、巻すに海苔を広げご飯を広げと、様々な工程を手順良く先生に 至れり尽くせりで教えてもらい、娘も楽しそうに太巻き寿司を作っていました。初めての巻きすも先生の手をかりながら上手に巻いていました。

色のアクセントに所々でぼかしに使うはずの紅生姜は、子供が食べられないとの事で、急遽、ピンクの“桜でんぶ”に変えてもらい子供も食べやすいように。子供の様々な要求に柔軟に対応してもらい本当に田舎の親戚の家に遊びに行ったような雰囲気で体験出来ました。

“バラの花”“かたつむり”食べごろです。上手に出来ました。

巻きすの使い方や、さい箸で模様を置く“溝”を作ったり、細く巻いたものを合わせて模様を出したりと、太巻き祭り寿司には、古くからの丁寧な台所仕事がたくさんありました。中でも巻きすを合わせる“合わせ”や巻き上がった太巻きを綺麗に切る“端の始末と切り方”にはコツがあり、そこを美しく仕上げるのが太巻き祭り寿司ならではの重要なポイントであり、家ではわからなかったことでした。

上手に巻き上がった巻き寿司を切り、その切り口を見たとき、娘がうれしそうに声をあげ喜んでいました。私もその切り口の模様の出来栄えの綺麗さに感嘆したほどです。早速、その場でお昼にいただきました。

自分で作った“太巻き祭り寿司”はまだ出来たてで、ほんのり寿司飯が温かく、先生みんなの温かさのように感じました。

お世話になった、宮内マサ子先生、川名敏子先生、平野富恵先生 本当にありがとうございました。

まとめ

“太巻き祭り寿司”作りを体験してみて、改めてこの一巻きに様々な歴史が包み込まれていることを知りました。房総の食文化。皆さんも是非体験してみてください。

参考URL:みんなみの里 体験メニュー minnami.com/?post_type=experience