JR内房線「五井駅」から市原市の内陸部へ向かって、車を走らせること約40分。山がちな道路を抜けた先に見えてくるのが大きな人工湖・高滝湖と、その傍にたたずむ「市原湖畔美術館」です。この記事では市原湖畔美術館について、実際に足を運んで体感した魅力を中心に、周辺情報、アクセス方法もご紹介します。

まるで冒険? 現代アートと一体化した館内

現代アートを中心に展覧会を行う市原湖畔美術館。何棟も連なった複雑な形と金属の外観も印象的ですが、何より魅力的なのは大小の展示室やカーブした通路、スロープなどの、入り組んだ館内でした。

小さなスペースにひっそりと一作品だけ飾ってあったり、吹き抜け越しに見えた作品に目を奪われたり。立体作品の中を通り抜けることもあれば、一つのフロアが丸ごと作品になっていることもあります。変化に富んだ館内を活かした展示を進むのはまるで冒険のようで、「次はどこに何があるのかな」と冒険心をくすぐられました。

決まった順路はなく、スタッフの方が館内を見回っている緊張感も少ないので、のびのびと、思うままに作品を見て回れます。また、館内にはエレベーターや授乳室も設けられているので、車いすを利用する方や小さなお子さんのいる方でも楽しめます。

「ピクニックDAY 」には、芝生広場で一息

展示品の数は多すぎず、作品をじっくりと鑑賞した筆者でも1時間程度で回ることができました。

しかし、こうした鑑賞には案外体力を使いますよね。休憩場所におすすめなのが、館外の芝生広場です。特に「ピクニックDAY 」という不定期で開催されるイベントの日には、芝生広場にパラソルやベンチが設置され、目の前に広がる高滝湖を眺めながらゆっくりできます。

美術館に隣接するレストランPIZZERIA BOSSO (ピッツェリア ボッソ)で購入したご飯を外で食べることもできます。筆者が訪れたときは「房総里山芸術祭 いちはら×アートミックス2020+」という企画の開催期間中だったため、キッチンカーの出店も並んでいました。

お昼を楽しむ人もいれば、設置された恒久展示の作品に入ってかくれんぼするお子さんがいたり、犬を連れている方がおしゃべりしていたりと、開放的な雰囲気が魅力的な広場です。

泊りがけで楽しむ! 高滝湖の周辺施設とアクセス方法

美術館だけを訪れるには少し距離があるから、他にも何か楽しめるものがあるといいな、という方には、「高滝湖グランピングリゾート」という宿泊施設や「高滝神社」、「市原ぞうの国」という動物園もおすすめです。

特にグランピングリゾートは美術館から歩いて20分ほどの距離なので、湖畔をお散歩がてら、気軽に行き来できます。美術館では日が沈んでからしか見られない作品もあるので、泊まった日に時間を変えて遊びに行くのも楽しそうですね。

湖畔美術館へのアクセスは主に、車(最寄りのICは館山道「市原IC」か、圏央道「市原鶴舞IC」)、電車(JR内房線「五井駅」から小湊鉄道に乗り換え「高滝駅」で下車)、高速バス(東京駅・羽田空港・横浜駅⇄市原鶴舞バスターミナル発着)を利用する3種類がありますが、電車や高速バスの場合は駅や停車場から徒歩、もしくはタクシーでの移動になります。普段長距離を歩かれない方や、美術館以外にも見て回りたいという方は車で行くのがおすすめです。

市内ののどかな田園風景やレトロでかわいい小湊鉄道の列車が走っていくのを見られるほか、筆者が訪れた12月の初旬には湖畔の紅葉を楽しむこともできました。

まとめ

建物や広場がまるまる一つの作品になったような市原湖畔美術館。訪れてみるとそこは、来館者がのびのびと作品とふれあい楽しんでいる姿が印象的な、とても素敵な場所でした。日々のリフレッシュに、ぜひ足を運んでいただきたいスポットです。

市原湖畔美術館公式ホームページ
https://lsm-ichihara.jp/

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