数年前、妻が「郷土料理・房総太巻き寿司」の教室に通い始めました。私は市原市の出身ですが、母も妻も東京育ちのせいか、それまでは太巻き寿司が地元の郷土料理であることを知りませんでした。遅まきながら私が知った房総太巻き寿司を紹介します。

房総太巻き寿司とは?

「料理教室 ヘルシークッキング」提供

房総太巻き寿司をひとことでいうと、断面の華やかな図柄を目で楽しみながら味わう太巻き寿司です。農林水産省ホームページ「うちの郷土料理」に、「千葉県 太巻ずし」というページがあります。主な伝承地域は「上総(かずさ)・下総(しもうさ)地域を中心とした県内各地」で、「祭り、桃の節句、お花見、入学式など、年中行事や冠婚葬祭、家族のイベントに合わせて食べられてきた」とのことです。

千葉県ホームページ「ちばのふるさと料理」にも、「太巻き寿司」として取り上げられています。「古くから冠婚葬祭や集まりの時のごちそうとして受け継がれ、千葉の郷土料理を最も代表するもの」だそうです。

平成25年(2013年)に発行された『市原市市制施行50周年記念アルバム』には、「いちはらの宝50選」として房総太巻き寿司も掲載されています。市原市は、昭和30年代に海岸が埋め立てられるまで海苔(のり)の一大生産地だったそうです。米やかんぴょうの産地でもあったことから、特別な日のおもてなし料理として太巻き寿司が作られてきたのでしょう。

試してみたい方は

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房総太巻き寿司は、いつでもどこでも、買えたり食べたりできません。地元ブランド食材を使う料理ではなく、町おこし的に開発された観光グルメでもなく、「一般庶民が家族行事の日に家庭で作ってきた」という歴史的背景がその理由ではないかと思います。

ときどき、市原市や小湊鐵道のイベント会場などで、お持ち帰り用に販売していることがあります。見かけたらチャンスです!ひとまずご家庭で試してみたい方は、ホームページや書籍を参考にして作ってみてはいかがでしょうか。

▼必要な調理器具
大きい巻き簾(まきす):縦・横30cm程度
小さい巻き簾:縦18cm程度、横27cm程度
四角い卵焼き器(卵巻きも作る場合):一辺が約20cm(以上)

▼基本的な食材
すし飯(白・ピンク)、のり、卵焼き、かんぴょう、漬物など

▼作り方(農林水産省ホームページ)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/futomaki_zushi_chiba.htm

▼作り方(千葉県ホームページ)
https://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/recipe/furusato/ryouri01.html

▼作り方(書籍)
『伝統の祭りずし 美味しいヘルシー家庭料理』(ISBN:9784872300871)
https://shop.ichiharakanko-ec.jp/items/49564689

作り方を習いたい方は

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「読んだだけでは作れない」
「作ってみたが、見映えが今ひとつだった」
「作り方のコツを知りたい」
「図柄のレパートリーを増やしたい」

という方もいらっしゃるかもしれません。そのような方々向けに、房総太巻き寿司の作り方を教えてくれる料理教室が市原市にあります。場所は、JR内房線「五井」駅の改札を出て右側(海側)、西口の階段を降りて右手にあるビルの3階です。妻も通っている料理教室で、妻によれば「遠方から熱心に通っている生徒さんも多い」そうです。「五井駅なら通えるかも」という方は、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

▼料理教室 ヘルシークッキング
https://www.healthy-cooking.jp/inquiry/

まとめ

千葉県市原市の郷土料理「房総太巻き寿司」は、家族行事の「お祝い感」「ワクワク感」を盛り上げ、「図柄の創意工夫」も味わえる家庭料理です。お祝いの日の食卓や運動会のお弁当をさらに華やかにすることでしょう。ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。

※掲載情報は執筆当時の情報であり、現在は変更になっている恐れがございます。予めご了承ください。