日本と季節が逆のオーストラリアで出会い、バイクで日本全国を駆け巡り、夏は北海道・冬は沖縄、思い立ったら海外!そんな自由な生活を夢見るライダー夫婦が今回「車で」向かった先は、晩秋の岩手は八幡平(寒いので車で許して下さい・笑)

列島中に猛威を振るった台風21号の影響で、5日間の滞在中4日間が雨という生憎の状況でしたが、、、綺麗な水に透き通った空気!美味しいご飯に豊富な温泉!そして、そこに住む心優しい人々!

ここ八幡平には、現代人が忘れかけていた「何か」が確かにありました!

八幡平という場所

首都圏から東北道を北に向かい、はるばる来たぜ500キロ!途中車中泊を経て、北海道に次いで全国で2番目に大きな面積を持つ岩手県にようやく到着!

その広い岩手県の中腹に位置する八幡平市は、なんと!都内23区がスッポリと収まってしまうスケール感抜群の場所なのです。
普段僕らがいかに狭い世界で生活しているのか、、、まじまじと実感させられて何だか切なくなってきます(笑)

そんな八幡平は全体的に標高が高いので、夏は涼しく冬はウインタースポーツが非常に盛んな地域です。

中でも今回さすらいワークで滞在した「安比高原=APPI」は、ふわふわのパウダースノーが降り積もる、スキーヤーやスノーボーダー憧れの場所でもあります。

その昔、バブル期の真っ只中は「APPI」に別荘を持つということが一つのステータスにもなっていました。

ちなみに僕はバブル後のサトリ世代に当たりますが、、、岩手のおとなり宮城出身なので、幼い頃から「APPI」というブランドの凄さを何度も耳にしています。

そんな「APPI」を含む八幡平を見守る岩手山は、今まで何度も噴火を繰り返してきた活火山だったりします。

思わずここは地球じゃなくて火星なんじゃない?と、自分をハリウッド映画の主人公のように錯覚してしまう「焼走り溶岩流」を見れば、岩手山が活火山であるということを身を以て実感できます。

かと思えば、春の景色の代名詞「上坊牧野の一本桜」のような、フォトジェニックで穏やかな自然の景色もまた魅力的です。

大自然の中のゆったりと流れる時間、初めて来たというよりは「ただいまぁ!」という気持ちなれる、八幡平はそんな場所です。

美味しいものと温泉の宝庫

いい意味で飾り気のない飲食店の数々

実は八幡平には「八幡平と言えばこれ!」というメジャーなご当地料理がありません!

逆に言えば、下手に観光客向けナイズされた店がなく、地元感を味わえるお店が沢山あると言うことなのです。これは、その土地の雰囲気を味わえるお店が好きな僕らにとっては好都合でした!

・NELCAFE
滞在した安比高原のリゾートマンションから歩いて5分の「NELCAFE」さんのコーヒーは、八幡平を代表する味です。ペンション併設のオシャレすぎる店内の雰囲気も相まって、ゆっくりと美味しいコーヒーを味わうことができます!

・丸大食堂
実は岩手随一の蕎麦の産地でもある八幡平(特に安比)一見営業している風に見えない、そんな正しい田舎の食堂「丸大食堂」さんは、ガイドブックにも掲載されている有名店です。広大なソバ畑の隣にあるお店の看板メニューは「まいたけ蕎麦」今回は残念ながら売り切れでしたが、それでも絶品の蕎麦を味わえました!立ち寝する看板犬と遊ぶのも楽しいです(犬好きの妻なかなか離れず、、、)

・大更ホルモン
八幡平の市街地にある「大更ホルモン」さんは、地元の肉がたらふく食える、美味い早い安いの三拍子が揃ったお店です。看板メニューの「ホルモン鍋」は、特製のタレにつけ込んだ味噌味が癖になります!見るからにボリューム満点のステーキが1000円で食べれる「メガステーキ」も次回チャレンジしたいです。

・Nollegretto
お店から岩手山が見える「Nollegretto(ノレグレット)」さんは、地元の素材で作った美味しいアイスクリームが味わえるお店です。豊富なアイスとフレーバーの組み合わせに、ついつい頭を悩ませてしまうことは必須!パスタやピザなどの軽食も絶品なのでオススメです!

温泉パラダイス八幡平

東北一標高が高い場所にある藤七温泉、日本秘湯を守る宿の松川温泉など、八幡平は日本屈指の温泉パラダイスです。温泉が特別なものではなく、もはや生活の一部のように通い続ける地元の方も大勢いますし、湯治を目当てに全国各地から人が訪れます。そんな八幡平の温泉で、今回滞在中に入った温泉を紹介します。

・安比温泉白樺の湯
安比高原にある、広大な敷地が自慢の無色透明の日帰り温泉施設です。白樺の木を眺めながらゆったりと浸かれる露天風呂は長湯に注意!館内設備も充実していて一日中過ごせますよ。

・旭日ノ湯
上坊牧野の一本桜からほど近い、珍しい炭酸泉の地元感溢れる温泉です。炭酸泉といっても、体に全く刺激はないので誰でも楽しめます!ぬるめと熱めの湯船があって、交互に入るのが通な味わい方です。

・フロンティアの湯
安比高原からほど近い、赤褐色の湯が特徴的なひなびた系の温泉です。広い湯船はゆっくりと温泉を楽しむことができますし、格安で宿泊することも出来ます(仮眠室利用なら脅威の2500円~)

地元の小学生と森の大切さを学ぶ

滞在3日目に、寺田地区コミュニティセンターのセンター長「畠山さん」のお誘いで「森のワークショップ」というイベントに参加しました。

どんなイベントなのか全く分からないまま現地に行くと、どうやら地元の小学生と一緒に「七時雨山」のトレッキングを通じて自然を学ぶという企画とのこと!

子供と一緒に子供のような僕らが一緒にトレッキング!なんだかワクワクするじゃないか!(まさに子供・笑)

ガイドさんと畠山さんのブリーフィングをしっかり聞いて、まずは七時雨山のカルデラ地形が見渡せるポイントに向かう一行。

世界屈指のカルデラ「阿蘇」を見ている僕は、正直なところ大したことがないものを想像していたが、その期待はいい意味であっさり裏切られました!

そこには外輪山が存在していて、綺麗な水が湧き出ている、そんな歴としたカルデラ地形が広がっていました!

そして、散策中に綺麗な水辺にしか存在しない貴重な虫「トワダカワゲラ」に遭遇する奇跡の巡り合わせ!

そんな一行を歓迎するかのように、今朝から降り続く雨は止み、さらなる奥地へ向かうことになりました。

深い砂利道の中を車で駆け抜ける様は「え?これ本当に地元の小学生向けの企画ですか?」と思うほどに、もはや完全なアドベンチャーツアー!

車で行ける果てまで走り、元気一杯の子供達と山道を歩くこと15分、そこには八幡平を一望できる大展望が広がっていました。

森の匂いを感じ、紅葉で燃え上がる山々を見ながらのトレッキングは気持ちがいいの一言!

トレッキング後は、アウトドア料理の定番のカレーで皆で楽しくランチタイム!大人も子供も僕たちも、自然の中では何の垣根もありません。

豊かな森には綺麗な水が流れ、その水辺には虫が住み着き、それを食べる魚や動物が住み着くようになる!森の生態エネルギーを蓄えた水はやがて海へと流れつき、その海で蓄えた栄養をシャケが森へと還してくれる!

この森を中心とした自然循環サイクル、これこそが「森のワークショップ」で子供達に伝えたいテーマであり、僕たち大人にも忘れかけていた何かを問いただすものでした。

大雨や台風による土砂災害が多い昨今ですが、それは本来森という自然のダムが水を蓄えることによって防げるものなのです!そして蓄えられた水は新しい生命を生む命の源です!

我々人間が減らしてしまった森は、我々人間が責任を持って元に戻していかないといけない!そんな使命感を感じた森のワークショップでした。

大きな暖炉がある家で農業体験

今回のさすらいワークで一番楽しみにしてた農業体験は、ベルギー製の暖炉がある大きな家に住む「小野寺ご夫婦」にお世話になりました。

家に入るやいなや「あれ?ここって前に来たことあるっけ?」そんな気持ちになってしまう非常に居心地のいい場所。

それもそのはず、優しい旦那さんと明るい奥さんが昔から若者の農業体験を積極的に受け入れている家なのです!その「OMOTENASHI」の精神には脱帽するばかり。

今回体験させていただいた「脱穀したお米のもみすり作業」で感じたことは、想像以上に農業の機械化が進んでいるということです。

「昔は大変だったけど、今は機械のお陰でかなり楽になったのよ」そんな奥さんの言葉が物語る通り、僕たち人間が作業したのは全行程のごく一部でした。

それでも約30kgある米袋を運ぶのはかなりの重労働で、これを毎日しているなんて尊敬の念しか思い浮かびませんでした!

暖炉に入れる薪割り体験では「デカイ斧でエイヤ!ってやるんだろうな!」という僕の想像は見事に外れ、ここでも機械化の恩恵を体験することになりました。

バキバキと音を立てて綺麗に薪が割れる様は、癖になりそうな気持ちよさでした(笑)

そんな想像以上に機械化が進んでいた農業体験をした後は、暖炉で焼いた焼き芋に舌鼓を打ち、お手伝いに来たのか食べに来たのか分からなくなる僕たちなのでした。

しかし「何でも補助金で解決しようとする政治家は何も分かっていない」突如神妙な顔つきで語る小野寺さんを見て、芋を食べる手が止まりました。

 

農業器具を買ったら補助金、田んぼを作ったら補助金、、、何かにつけて補助金を出したところで、それはあくまで一時的な処置にしか過ぎません。

本当の意味で農業を守って行くためには、例えばコメの取引価格を上げたり、後継者の育成にお金を使ったり、そういう根本的なところにお金を使うべきなんです。

 

しかしそれらは「農業をやってる人間」しか分からないことであり、政治家の卓上の計算では当然分からないことなんです(何も政治家が悪いわけではありません)

つまり事件は現場で起きていると!だから僕も、一人でも多くの方に農業というものを体験してもらうべきだと思いました!何事もまずは「知る事」が大切なのです。

 

すっかり小野寺さんの家が気に入ってしまった僕らは、来年夏にバイクで再来することを約束し、激しく後ろ髪を引かれながら帰路につくのでした、、、

Wi-Fi完備の静かな環境で仕事も捗る

今回滞在した安比高原のリゾートマンションはとても静かな環境で、ノマドなワークスタイルにはもってこいの場所でした。

吹き抜けの広いワンルームはとても居心地がよく、仕事の合間にコーヒーを飲みながら窓の外の綺麗な紅葉を愛でるのも良し!


毎日自然の中で生活をしていると、何も意識をせずとも勝手に朝型の生活になって来ます!すると最も生産性が高い朝の時間が増えるので、当然仕事もはかどるわけです!

マンションに完備されているWi-Fi環境も快適で、PCで仕事をこなす上で不便なことは一切ありませんでした。

また滞在中に感じたことは、滞在したマンションに限らず「八幡平のWi-Fi環境は全体的に充実している」ということです。

 

今回僕らが行った飲食店や温泉、観光地の全てに無料のWi-Fiが備え付けてあり、八幡平はWi-Fiインフラの構築にかなり力を入れていると感じました!

日本人はもちろんのこと、インバンド全盛なこのご時世、Wi-Fi環境の充実は必須ですので、そういう意味で八幡平はかなり進んでいます。

 

外出先でもWi-Fiに困らずどこでも仕事ができるので、フリーランスと八幡平はかなり相性がいいように感じました!

そして何より古き良きものは残し、新しいものも歓迎する!そんな八幡平の人々に僕は感銘を受けました。

一般的に地方へ行けば行くほど、フリーランスというワークスタイルは現地の方には受け入れがたいものであると思います。

しかしここ八幡平では、そんな新しいワークスタイルが歓迎されています!

事実、今回お世話になった畠山さんや小野寺さん、道中出会った方に僕や妻の仕事のことを話すと、非常に興味深く話を聞いてくれました!

ここで何か始めたい!そんな気分になったのは初めてです。

まとめ

今回5日間の滞在があっという間に感じるほど、非常に充実した毎日を過ごせました!
正直なことを言うと、このままここに住もうかと妻と本気で考えてしまいました(笑)本当に帰りたくなかったです。

僕は今までお金を稼ぐために、駆け出しのフリーランスとして情報配信を学んで実践して来ました。

もちろん生きて行くためにお金を稼ぐことは大切ですが、しかし今回の体験を通じて「日本にはこんな素敵な場所があるんだぞ!」と、旅をしながら訪れた場所の魅力を発信する事が僕のミッションのように思えました。

人口が首都圏に集中し、地方の人口がどんどん減っている昨今ですが、インターネットの持つ無限の可能性と地方の融合はきっと新しい何かを生み出せるはず!

豊かな自然が育む綺麗な水と景色、そこに住む心優しい人たち、ここ八幡平には現代人が忘れかけていた「何か」が確かにありました。

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