私たちは1994年に神戸市から天塩町に移住してきました。北海道の地図を広げて探してやっとわかった天塩町でしたが、暮らし始めて1年間は大自然の四季の変化が素晴らしくて夢中になりました。25年経った今でも「毎日が北海道旅行のよう」という気持ちは消えていません。そんな素敵な天塩町を紹介します。
都会と比べてわかる、天塩町を観光に訪れる魅力
私たちが移住する前年に、天塩町を下見に来たとき、役場の方が案内していくださった「天塩町鏡沼海浜公園」や「川口遺跡風景林」なども素敵な観光スポットですが、私たちの住むことになる酪農地帯を見たときのカルチャーショックは強力でした。
見渡すかぎり草原が広がっていて、住宅らしきものは見当たりません。えっ!こんなところに住めるの?というのが正直な気持ちでしたが、暮らしてわかったことは、草原ではなく牧草地帯だったこと、そして夏には牧場の人が草刈りをして乾燥させ、ロールにして冬の飼料として保管するのです。緑の牧草地に点在する白いロールの風景は、夏場の大変な労働や作業の結果。都会では見られない珍しい景色として歓迎されています。
天塩観光なら冬「マイナス20度の世界」でフローズンアート
冬の天塩町は白い雪に覆われます。最高気温もマイナスになる真冬日には、大自然の素晴らしいプレゼントがあります。湿度や気温、天候などの微妙な自然条件が整った朝は、木々や枯れた草などすべてのものが真っ白な花が咲いたような「霧氷(むひょう)」が見られます。
寒さを利用した遊びも色々ありますが、雪はパウダースノーなので水を使わないと固まりません。そこで雪だるま作りよりはフローズンアートがおすすめです。マイナス15度以下の晴れた日の朝に、Gパンを水につけて外で干すと、5分ほどでカチカチに凍り、写真のように自立したGパンになり、透明人間が入っているようになります。
何もないとおもった天塩町は、新しい観光地要素を秘めている
私たちが移住を決めたとき、近くに病院や商店がないことは不便に感じましたが、その土地に合わせた生活も可能です。何もないところにも、コンビニができたり、近くの牧場が、チーズ工房「べこちちFACTORY]をはじめたりと変化もあります。
都会のように急速ではないので、ゆったりした大自然の風景はほとんど変わらなく、都会の雑踏からは想像もつかない空気感や安らぎがあります。北海道らしさを感じる風景は、天塩町にもある道路の矢印標識「矢羽根」があります。冬の吹雪の日などは、路肩が見えなくても矢羽根を頼りに走れるという重要な役割があります。また、道路標識で鹿の「動物注意」も多いです。その土地ならではのいろいろな日常が、違う地域から見ると新鮮で興味深いものになります。観光スポットを回る旅の次は、ちょっと暮らしで天塩町の魅力を体感するのはいかがですか。
まとめ
最近は観光のカタチも変わりつつあります。都会と比べて何もないと感じるのは、生活の不便さが大きな割合を占めているからでしょう。夜空に輝く満天の星や、地平線が見える広大な大地は都心にはない魅力です。ぜひ一度、天塩町に来てみませんか。
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