昔ながらの風景が残る南砺市五箇山への旅

南砺市は富山県の南西に位置し、石川県と岐阜県の県境にある自然豊かな地域。その中でも五箇山は、合掌造りの家屋が現存する地域としてユネスコの世界遺産に登録されている。合掌造りの家々はただ現存するというだけではなく、今もなおそこで生活をされている人がいる、本当の意味で日本の昔ながら風景が見られる地。

この地へ、福井県から夫婦でさすらいワークとして参加することにした。夫婦ともに旅好きで、もともとパソコンを持参しながら、旅先で仕事もするということをしていた私たちとしては、訪れたことの無い南砺市が単純に面白そう! と思ったから。今回の旅は生活や移住といった点を意識し、地元の人々との出会いやふれあいを楽しみに、三泊四日でさすらってきた。

型にはまらないフリーランスが出来るさすらいワーク

山間地の西赤尾体験ハウス

体験ハウスで仕事風景

五箇山にある西赤尾体験ハウスに到着し、早速パソコンを開いて仕事開始。Wi-Fiの感度は良好。Wi-Fi環境は大変ありがたいけれど、私の場合は大半がスマホのテザリングを利用しているため、携帯が通じる所なら行く先々で仕事が出来る。

桂湖ビジターセンター

地元の人にお勧めされてやってきたのが桂湖ビジターセンター。湖のほとりにたたずむ施設で、大きな湖と緑の山々に吸い込まれそうな景色。ゆっくりとした時間が流れる空間で、自然を感じながら仕事をするのは心地良さそう・・・。と思いつつも、肌寒かったので景色だけ眺める。

熊鍋の雑炊

夜は熊鍋の看板に惹かれ、高千代という食事処へ入店。美味しい熊料理と気さくな店主。地元のあるある話やほっこり話で満たされてきた頃、なんと店主は明日柿渋塗り体験でお会いする移住者とご近所さんとのこと。地元色の濃い方々が来店されたこともあり、もっと話を聞きたい、もっとこの場所にいたい、でも急ぎの仕事をしなければ・・・。そんな中、店主の粋な計らいで店で仕事をさせてもらえることに。
妻は地元の方々と濃密な時間を過ごし、私は話を聞きながらパソコンを開いて仕事。

古民家の改修作業と移住された人々とのふれあい

千葉県から移住された多賀野さんという若いご夫婦のところで、古民家改修としての柿渋塗りと芋掘りのお手伝い。和紙職人として移住された方など個性的なメンバーが集まり、手分けして土蔵の板壁を塗装。炭入りの柿渋のため、黒くしっかりとした色をしているが、天然素材のためか優しい風合いの仕上がり。

仕事の後、外で食べるみんなとの食事は格別。

多賀野さんは元々、好きなアウトドアの仕事をして満足されていたにも関わらず、山好きであることや季節の移り変わりを感じられるということで、この地に移住されたとのこと。住まれている所は見晴しのよい小高い山間にあり、二人で住むにはわりと大きな古民家。この古民家を改修されたのはご自宅としてだけでなく、ゲストハウスやカフェとしてみんなが集まれる場を作りたい。それがここで暮らしていく上で、いま自分に出来る、自分らしい生き方なのだと。

ナベちゃん農場で育てるこだわりのお米

ナベちゃん農場こと渡辺さんのもとで、移住者の綱川さんらとともに稲刈りのお手伝い。渡辺さんは会った瞬間から分かるとても人柄の良い人で、無農薬の自然栽培にこだわられたお米を育てている。綱川さんは釣り好きがこうじてこの地へ移住されたという面白い人。

農作業中に少しだけ農機具を運転させて頂いた。初めて乗る緊張感とワクワク、そして「やるやん!」と渡辺さんに背中を叩かれたことが嬉しかった。

お昼は自然栽培で育てられたお米で作ったおにぎり食べながらくつろぐ。一瞬、渡辺さんがおにぎりを見つめ「畑が喜んどる」と小さな声で呟いておられたのが印象的だった。

三泊四日の南砺市さすらいワークを経て

短い期間だったが、予想以上に濃密な時間を過ごせた。運が良いことに複数名の移住者と関わる機会があったため、地方での生活をよりリアルに感じることが出来た。今まで田舎への移住というのは敷居が高いものだと感じていたが、彼らと出会えたおかげで、なんとかなってしまうもんだなと感じれるようになった。

仕事の手伝いは、足手まといではないかと思える働きぶりでしたが、皆さんは私たちを温かく迎え入れてくれた。彼らがどんな想いで接してくれているのか尋ねてみると、それは、地元の人たちだけでは気付けなかった良いところを、気付かせてくれるから。外から人が訪れてくれることで、すごく元気がもらえるのだと。地方に訪れることが、双方にとって良い刺激となり、新しい発見や可能性がうまれるのだ。

南砺の日常にふれて

地方の魅力や旅の醍醐味はなんといっても人だと思う。しかし、旅の地で人と出会い・ふれあうというのはあるようでなかなか無い。それがこのさすらいワークによって、たくさんの出会いと経験が得られた。旅の楽しみ方は自由。時間や場所にとらわれないフリーランスなら、ふらり気ままにさすらいの旅に出られてみてはいかがだろうか。

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