天塩町は、日本の最北端・稚内から車で南下すること約1時間、日本海に面した所にあります。アサリかと見間違えるほど大ぶりなシジミが有名な町です。

『何もないよね』天塩町民がよく口にする言葉です。目をひく商業施設や文化遺産はなく、吹雪いたら陸の孤島になってしまう天塩町。しかし、ぶらぶらと街の中を散策したり、地元の方とおしゃべりしたり…と、たわいのないことが、この街の魅力なのかもしれません。天塩町を通りがかる際には絶対に抑えていただきたい3点を、今回ご紹介していきます。。

天塩川とともに発展してきた町、天塩町歴史資料館

まずは天塩町の歴史をご紹介します。天塩川歴史資料館は、その造りから町民に『赤レンガ』と呼ばれ親しまれています。昭和26年に赤レンガを積んで建てられた旧役場庁舎は、平成元年から天塩川とともに発展した町の歴史資料館として使われています。

重厚な趣の外観から中に入ると、木の床に温かさと懐かしさを感じます。明治時代に天塩川で運航された『長門船』の模型や当時の人々のくらし、原野開拓に使われた道具などの展示から天塩町の歩みを知ることができますよ。ほんの少し前の先人達の暮らしぶりを感じていただけると思います。

天塩の『空と大地の中で』…ただ息をしてみよう!

市街地を抜けると酪農地帯が広がっています。夏になるとウシが放牧され、大型機械による牧草作業を見ることができます。180度広がる青い空と緑の牧草地の間に立って、空気の流れを感じてください。心がどんどん解放されていくこと間違いなし!これが1番のオススメです。

日本海に陽が沈み夜になると、満天の星が瞬きます。天の川の星の多さに驚かれることでしょう。月光の美しさに心が清められる感じがします。また、冬になりマイナス10度を下回るしばれた朝には、凜 とした空気感を味わってください。

雲の流れ、空の色の移り変わり、木々のざわめき、大自然につつまれる心地よさと厳しさを体感してみてくださいね。

旅の最後は、やはり温泉!「天塩温泉 夕映」

大自然に癒された仕上げとして入りたいのは、やはり温泉ですよね!北海道各地に温泉施設はありますが、日本海、天塩川を一望できる場所に『てしお温泉夕映』があります。名前のとおり、日本海に沈む夕陽を眺めながら温泉に入ることができます。

泉質はナトリウムー塩化物強塩泉で、美肌効果と、マッサージ効果があると言われています。1日の終わり夜の始まりのときを、ゆったりとお湯につかり心も体もリラックスされてはいかがでしょうか。

まとめ

放牧酪農をしたいという理由で、愛知県から天塩町に移住してきて17年になります。冷涼な気候はウシを飼うことには適していましたが、初めての冬の寒さと吹雪は脅威でした。

それでも、ここ天塩に暮らすのは、便利さはないけれど、静かにゆったりと流れる時の中で生きていくことが、とても贅沢なことだと感じているからです。ぜひ、一度天塩町を訪れてゆっくりと過ごしてみてくださいね。