都会のコワーキングスペースやノマドカフェもいいけれど、新しいアイデアを出すにはなんだかマンネリを感じてきた編集者 細野とライター宇治田…。ちょっぴり疲れ気味のフリーランス女子ふたりが求めていたのは、自然×小旅行! “どこでも仕事ができる”私たちは、移動時間を有効活用すれば日帰り旅行も楽しめるのです。

今回さすらいワークの先として選んだのは、テレワークオフィス(共同利用型オフィス)がある群馬県下仁田町。午前中は仕事をメインに、午後は観光メインに… 仕事も食も楽しむ、ながらテレワーク(!?)を実践してみました。

東京西部から車で約 1 時間半。下仁田町へさすらう!

8:00 東京西部 首都圏中央連絡自動車道 高尾山 IC を出発

高尾在住の編集者細野と都内でフリーアドレス実践中のライター宇治田。JR 中央線高尾駅で合流、さっそく下仁田町へ向かいます。徐々に山深くなっていく景色を車窓から眺めつつ、道中も仕事の話で盛り上がります。会議室のように対面ではなく、同じ方向を見ながらの本音トーク。普段とは違う新鮮な感覚でブレストも捗ります。

9:30 「あなたのもう一つの“はたらく”を探す」テレワークオフィス下仁田

群馬県下仁田町の中心部にあるテレワークオフィスは、地域ビジネス創業を目指す企業のサテライトオフィスや個人のスポット利用、イベントやセミナーの開催… 用途はさまざまです。

「2016 年から働き方改革が始まり、都心部ではいつでも誰でも働ける環境が整ってきたことで『今日はどこで働こうか』と考えてフレキシブルに動ける人が増えてきました。東京から日帰りで行ける下仁田町は、自然環境も豊か。都心部で働く人が仕事と観光両方の目的で気軽に立ち寄れる、ハブのような場所としてうまれました」とオフィスを管理する一般社団法人コトハバの都丸一昭さんがお話を聞かせてくれました。

下仁田町のテレワークオフィスはスポット利用でも 1 日 1,000 円とお手頃価格。お試しでも気軽に利用できるのが嬉しいポイントです♪

1 時間半ほど走り上信越自動車道 下仁田 I.C.で下車して約 10 分、下仁田テレワークオフィスに到着。本来「収めて」「蓄える」場所であった蔵をイメージした造りは他にないのではないでしょうか…。目印となるのはテレワークオフィスに隣接した、チャレンジショップです。町の事前審査の上、下仁田町で事業をはじめてみたい人などが期間限定(最短 1 日〜3 年以内)で店舗を持てるという挑戦の場。企業にとらわれず、アーティストのギャラリーなどとしても利用できそうですね。個性的な外観に、私たちのテンションも上がります。

外観とは打って変わって、広々として開放感あふれるワークスペースが…! 個室に分けられた会議室や個人が使いやすい作業スペース、大人数でもグループごとにも利用できる移動式デスクなどがそろっていました。

パーテーションで区切られ、大きなモニターで作業ができるブースも完備。快適に作業できる環境が整っています。

午前中は集中して仕事するぞ! と、テレワークセンターに着くなり仕事を開始した私たち。備え付けのホワイトボードを使ってまずはブレスト。暖かな日差しが入り、木のぬくもりを感じる空間にいると、アイデア出しもサクサク進みます。

会議が終わったら、それぞれの作業へ。静かで穏やかな周りの環境が、いつも以上に集中力を高めてくれている

気がします。作業もサクサク進み、本日のメインワークは無事に完了です!

下仁田町テレワークオフィス

住所:群馬県甘楽郡下仁田町下仁田 203-3
URL:https://shimonita.work

 

12:30 孤独のグルメにも取り上げられた「大衆食堂 一番」へ

働いた後はおいしいご飯が食べたい! と、ランチに向かう私たち。昭和の風情が残る町を散策しながら、とあるお店へ向かいます。

テレワークオフィスからは徒歩約 6 分。実はここ「大衆食堂 一番」という中華料理屋は、ドラマ「孤独のグルメ」でも紹介されるほどの人気店。今では、地元住民にも観光客にも愛されるお店となっています。静かな町に、突如行列!? と、驚いてしまうほど人が集まっていました。

カウンターから厨房は目と鼻の先。素材が焼ける音や匂い、五感を通し、中華を楽しめるのです。

行列の最後尾に並んで 30 分後、ようやく入店。カウンターの席につき、人気の餃子とタンメン、そしてチャーハンを注文。さっそくお店の方々が手際よく料理を作りはじめます。慣れた手で次々に形になる皮から手作りのギョーザや大きな中華鍋をひっくり返す様子は見ているだけで楽しい!

肉汁がこぼれ落ちる! 「ギョーザ(450 円)」

ついに目の前で作っていた餃子を食べることができる…。そう思うと、喜びもひとしお。パリッと焼かれた皮の中に具がぎっしりと詰まっていて、肉と野菜の旨味もしっかり感じ、食べ応え抜群です。

一番人気の「タンメン(650 円)」

続いては野菜がたっぷり乗ったタンメンは、太麺とあっさり塩味のスープ。女性でも食べやすいやさしい味わいがクセになりそうです。

素材それぞれに味が染み込んだ「チャーハン(750 円)」

最後は大きなお皿に盛り付けられたチャーハン。しっかりとした味付けのチャーシューと一緒に食べると、旨味が口いっぱいに広がります。

一心不乱に食べる私たち。あっという間に完食! 大満足で店を後にしました。

大衆食堂 一番

住所:群馬県甘楽郡下仁田町下仁田 362
時間:11:30〜14:00 頃/17:00〜20:00 頃
定休日:3の付く日、臨時休業あり

野を越え山を越え…日本最古の西洋式牧場へ!

14:30 ジャージー牛に会える、神津牧場

テレワークセンターから 40 分、再び車を走らせ向かったのは 120 年以上の歴史を誇る西洋式牧場「神津牧場」。下仁田町と長野県(西部)と接する場所に位置する物見山の傾斜地を活用した牧場です。屋号を「Brand 乳 Days!」にするほど牛乳好きな細野にとっては、絶対に外せない下仁田スポットです!

本当にたどり着くのか心配になっていた私たちを出迎えてくれたジャージー牛の看板。総面積は、およそ 387ha と想像もつかないほどの広さ(東京ドームは 4.7ha)。全体像はこちら……

案内図を見ての通り、牧場周辺を囲むのは山、そして山。夜になれば、スターウォッチングにも最適なのでは。もちろん、忘れてはいけないネット環境は……ばっちりです(*Softbank キャリアで確認)! モバイルバッテリーとテザリングできる機器さえ持ち込めば、テレワークもできることを確認。

また、牧場でできることは「牛の乳搾り(500 円)」や「牛の行列見学」、「牛の赤ちゃん見学」、「ポニー乗馬(500円)」などの体験のほか、うさぎやヤギとも触れ合うことができます。また、夏季にはキャンプ場としても利用可能。雑木林の木を薪に使い、キャンプファイヤーもできるのだとか。PC を持ち込み、仕事×キャンプをしながら牧場を楽しむのもありですね!

辺り一面、爽やかな空気に包まれた斜傾地をそのまま生かした牧場。

子牛のかわいさは異常です。

間近で見るジャージー牛。いつもおいしい牛乳をありがとう…!

牧場の動物たちと触れ合いつつ、牧場奥にある展望台への山道をおよそ 30 分かけて登ることに。普段は、都会で PC と向き合う日々。頭を空っぽにして、ただただ斜面に注意を払いながら黙々と歩き続ける…そんな時間を過ごすことができるのも自然あふれる土地ならでわです。

必要最低限の整備が施された山道。動物の足跡らしきものや野生のタヌキも発見!

頂上で思わず「ヤッホー」と叫ぶ私たち。

そして牧場に来たからには! と、最後の楽しみにとっておいたおめあての神津牧場のソフトクリーム(350 円)。

このソフトクリームだけを求め、ここに訪れる人がいるといいます。ジャージー牛乳の乳脂肪分の多さをそのまま生かした濃厚さ、それでいて後味爽やか。とにかくフレッシュ&ミルキー! なんと、1956 年から続く味なのだとか。ソフトクリームに動物たち、見渡す限りの大自然…すっかり牧場を楽しんだ私たちは、神津牧場を後にしました。

牧場を満喫私たちは思わず、神津ジャージー牛乳(1000ml / 540 円)と不自然な記念写真を撮る。

神津牧場

住所:群馬県甘楽郡下仁田町南野牧250
時間:牧場・売店 8:00〜17:00
備考:ロッジや食堂の営業日時は異なるため、サイトをご覧ください
URL:http://www.kouzubokujyo.or.jp/index.html

神津牧場から車で約 50 分、別荘地軽井沢へ

前述の通り神津牧場は下仁田町と長野県が隣り合う位置にあり、観光地として知られる軽井沢までは車で約 1 時間。都心や観光地からのほど良き距離も下仁田町の魅力! 山を下り、本日の旅ラストを飾るディナーを求め軽井沢へ向かいました。

17:50 軽井沢周辺散策&「軽井沢 川上庵」で蕎麦を堪能!

ところで、フリーランスの醍醐味は“どこでも仕事ができる”こと。ドライブ中も PC を出せばお仕事…移動時間もしっかりとお仕事です(ドライバーを除く…)。

日も落ちはじめた 17:50、軽井沢のハルニレテラスに到着。スタイリッシュの外観のなかにも、あたたかな光とナチュラルな建物のなかにはインテリアショップや食品雑貨、レストランなど 16 つのショップがあります。

目指していたインテリアショップがすでに閉店してしまっていたため周辺のみ散策…。

ハルニレテラス

住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉2148
時間:ショップごとに異なるため、サイトをご覧ください
URL:http://www.hoshino-area.jp/shop

ハルニレテラスでディナーを食べ損ねた私たち。軽井沢といえば、蕎麦!ということで、一度訪れてみたかった旧軽井沢エリアにある、大人の雰囲気で贅沢な時間を味わえるモダンテイストな蕎麦屋「軽井沢 川上庵」まで足を伸ばすことに。 「天せいろ並(1,750 円)」をいただきました。

●軽井沢 川上庵

住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢6−10
時間:11:00〜22:00
URL:https://www.kawakamian.com/shops/karuizawa.php

気分は、別荘地に住むセレブ妻。

「軽井沢 川上庵」のある旧軽井沢エリアは、旧軽銀座や軽井沢聖パウロ協会などがある人気観光地。すでに、ほとんどの観光スポットが閉まっていたため私たちは軽く散策。宿場町として栄えたこの町は、外国人の別荘地としても愛されていたというだけあり、雰囲気もどこか日本離れしていました。

◾️PA も要チェック! 碓氷軽井沢 IC→東京方面にある「寄居 星の王子さま PA」へ

21:00 寄居 星の王子さま PA

まだまだ小旅行気分から抜けない私たちが最後に寄り道したのは「寄居 星の王子さま PA」。碓氷軽井沢 IC からは約 46 分。人気のフランスで生まれた小説「星の王子さま」の作者、サン=テグジュぺリの故郷である南仏プロバンスを演出したテーマ型パーキングエリアです。

「星の王子さま」ファンにはたまらない装飾が PA 内のあちこちに施されていました。

ショップには「星の王子さま」グッズがたくさん。

閉店後まで雰囲気を壊さない、レストラン「ル・プチ・プランス」。

そろそろ疲労感が出てきたアラサー女子ふたりも「こんな夢のような場所があったの!?」と最後の力を振り絞るように PA 内を物色。最後の最後まで貪欲に、一日を楽しみました。

寄居 星の王子さま PA(寄居 PA・上り)

住所:埼玉県深谷市本郷北坂 3064-4
時間:11:00〜22:00
URL:https://www.kawakamian.com/shops/karuizawa.php

静かなるさすらいワークスポット下仁田は、人気の観光エリアにも程近い魅力的な立地だった!

22:20 JR 中央線高尾駅到着

下仁田テレワークオフィスからはじまり、中華料理店、牧場、別荘地軽井沢、PA … その移動総距離は約 345kmのさすらいワーク。ひとつの場所にとどまるのではなく、「とにかく、いろんな場所に行きたい!」という私たちの好奇心もすっかり満たされ、いつもとは違う一日を過ごすことができました。

ノスタルジックな街や豊かな自然の中を歩き、その土地の食を楽しみ、都会ではどうしても鈍りがちな五感もフル活動。仕事も遊びも充実の 1 日で、疲労はあっても心はすっきり。「また明日から頑張ろう!」と思えるリフレッシュ体験ができました。

下仁田といえば…ネギ? と、思っていた私たちでしたがその魅力は、車を走らせれば自然にも近隣の人気スポットにも行けてしまう、まさに都心から程近い秘境でした!

下仁田町テレワークオフィス

住所:群馬県甘楽郡下仁田町下仁田 203-3
URL:https://shimonita.work

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