全国的に少子高齢化が進み、日本人労働力人口が減少するのに伴い、外国人労働者は年々増え続けています。南相馬市でも、ここ数年で外国人労働者は人口の約1%に達するほどになりました。国籍も様々で20数カ国にも及んでいます。スーパーや街中でも外国人を見かけない日がありません。それだけに、外国人労働者の受け入れ後の支援に、市民が積極的に関わっていける街作りができたらと思っています。

外国人労働者が安心して活躍し、多文化共生できる街作りを目指して

外国人労働者は異国の地で言葉もわからず、自然環境にも慣れず、職場とアパートの往復で一日が終わります。休日は洗濯や部屋の掃除、買い物であっという間に休息の時間が過ぎてしまいます。彼らは単なる労働力を提供に来たのではありません。私が同じ立場だったら、1カ月ももたずに帰国しているでしょう。

そんな彼らに私たち市民ができることって何でしょうか。「彼らはどこで働いているの?」「どこの国から来ているの?」「どこに住んでいるの?」「日本語は話せるの?」知らないことばかりです。でも、本当は関心がある市民が多いのです。そんな人たちが集まり南相馬市の魅力を伝え、それぞれの国の文化を理解し、共生していける街作りができたら嬉しいと思います。

日本語でいいんです、コミュニケーションは。

外国人を見ると英語が話せないから関わりたくない、という人が多いです。外国人は誰もが英語を話すんでしょうか。アジア諸国、南米、ヨーロッパなど国籍は様々です。

安心してください。日本に来る外国人はそれなりに日本語を勉強してきます。日本人より日本語に関心を持っています。翻訳機も必要ないです。難しいと思う日本語を易しく言い換えて、簡単な日本語を使えばコミュニケーションが図れます。日本語で話せる安心感。そのうち、方言も覚えてくれます。気楽な気持ちで話しかけてみませんか。

私は、仕事や生活で役立つ日本語を身につけたい外国人のために日本語学習を行っています。外国人労働者は仕事で疲れているにもかかわらず、熱心に日本語学習に参加しています。これを支援しないわけにはいかないです。学習終了後の外国人の満足した笑顔と感謝の言葉は、次の日本語学習支援の活力となります。

日本語ボランティアって楽しい。わかってもらえて嬉しい。

南相馬市には、現在、10数名の日本語学習支援ボランティアが集まっています。みなさん初めは「日本語を教えるなんて難しい」「何をどう教えたらいいのかわからない」「不安だし、できるかどうかわからない。でも、外国人と話してみたい」そんな気持ちが合ったら、みんなで日本語学習支援ボランティアの研修を受けてみませんか?

研修を数回続けるうちに「日本語を教えるなんて大袈裟に考えなくてもいいんだ」「話を聞いてあげればいいのか。いろんなことを聞いてみよう」と、不安が期待に変わってきていました。そして、実際に外国人とご対面です。

学習が始まり、まずは自己紹介。みんな顔がこわばり、普段よりも声が小さくちょっと緊張気味の様子でした。数分後、ひとつのグループから笑い声が聞こえると、一気に全員の緊張の糸がほぐれました。その後の1時間半はあっという間に終了。日本語学習者もボランティアのみなさんも、笑顔で「さよなら」の挨拶をしていました。

今後、日本全国どこでも、ますます増える外国人労働者の人たち。

私たちも日本語の支援を通して、外国人労働者の生活支援や様々なイベントへの勧誘により、南相馬市で働けたことや市民と関われたことが思い出に残るように関わっていければと思っています。お互いが理解し合い、共生できる街作りを推進していければと思います。

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