ぶどう農家さんでの収穫体験をはじめ、直売所訪問など、ぶどう尽くしで赤磐市での1泊2日を過ごした筆者が、ぶどうを通して感じた赤磐市の魅力を紹介します。どこまでも真摯に果物と向き合う農家さんの熱い想いをお届けします!

赤磐はくだものの王国

私が今回訪れたのは、岡山県赤磐市。岡山市の隣に位置しており、市内中心地は住宅地やレストラン、商業施設などがたくさんあり、とても生活しやすそうな雰囲気でした。そこから少し外れるとすぐに自然溢れる景観が広がるのが赤磐市の魅力です。

赤磐市に訪れてすぐに気づいたのは、傾斜地にたくさんの果樹園があること。ぶどうやももをメインに、くだものの栽培が盛んな赤磐市ならではの景色が私を出迎えてくれました。道端にあるたくさんの直売所があることからも、くだもの栽培が盛んなことが感じられます。

さらに市役所のある市の中心部に近づいていくと、今度は落ち着いた雰囲気の住宅街や、いくつもの商業施設を発見。生活しやすそうな中心地と自然溢れる景観が、こんなにも隣接していることに驚きました。

そんな中、今回私はくだもの農家の行本 健一さんのもとで、ぶどうの収穫体験をさせていただきました。行本さんは、ぶどうをメインに、もも、かき等…数多くのくだものを栽培されています!

収穫体験をさせていただく中で、行本さんのくだもの栽培にかける想いや楽しさ、難しさなど、たくさんの話をお聞きすることができました。

ぶどうへの愛深まる収穫体験

今回の旅で私が最も楽しみにしていたこと、それは「ぶどうの収穫体験」です。今回は、ピオーネという黒ぶどうと、シャインマスカットの2種類のぶどうを収穫させていただきました。

遠巻きにぶどう畑を見たことはあるものの、実際に収穫をするのは初めてなので、わくわくします。収穫作業が始まるのは、ちょうど日が昇ってきた朝5時半ごろ。なぜこんなに朝早くに収穫をするのか行本さんにお聞きすると、「お昼ごろの出荷に間に合うように毎日このくらいの時間から作業を始めるんですよ。」とおっしゃっていました。

私は久しぶりの早起きで、少し眠気が残る中ぶどう畑に向かっていたのですが、ぶどう農家の方は、毎日この時間から収穫作業をされているんですね…!

最近は種なしぶどうを見かけることも多いですが、もともと種のない品種などはないそうで、農家さんが手作業で「ジベレリン」という植物ホルモンを使って種なしぶどうを作っているのだとか。種なしぶどうはもともと種がない品種だと思い込んでいた私にとっては、驚きの事実でした。

行本さんはぶどうに関するお話をしながらも、手際よくぶどうの色味や大きさをひとつひとつチェックし、その日に収穫するぶどうを選んでいきます。ぶどうの収穫作業を体験させてもらう中で強く感じたのは、長年の経験が発揮される作業だということ。素人の私には、どれを収穫すべきか、なかなか判断が付きません。

「ぶどうの栽培は、どうやったらきれいでおいしいぶどうが作れるか、毎年ちょっとした実験みたいなものなんですよ」と話してくださった行本さん。それを聞いて、「今自分が収穫しているのは、行本さんの想いと試行錯誤の結果がたくさん詰まったぶどうなんだ」ということを強く実感しました。

朝から身体を動かして作業をすることがとても気持ちよく、収穫作業が進むにつれて、ぶどうへの愛おしさが募っていきました。

収穫だけじゃ終わらない!ぶどうを出荷するまで

ぶどうを収穫した後に、農家さんが何をするかご存知ですか。

そうです、出荷作業です。出荷作業はぶどうの収穫が終わった後、立て続けに行われます。

「出荷作業」と聞いて、私はただ黙々と箱詰めをしていくイメージを持っていたのですが、実際にぶどうの出荷作業をやってみると、それだけで終わらないということがよく分かりました。

まず、驚いたのは梱包材の多さです。作業場には5種類以上の梱包材が置かれており、出荷先やその時の売れ筋によって使い分けるのだとか。

ただ箱や袋に詰めていけばいいだけなのかと思っていましたが、それが意外と、とても難しいのです。ぶどうの粒が傷まないように、綺麗に見えるように詰めていく為には、力の加減や箱への詰め方にもコツが必要でした。

お客さまに直接届ける『稚媛の里』

収穫したぶどうは、農協などを通して卸売りするだけでなく、直売所でも販売されます。今回お世話になった行本さんは、『稚媛の里』という直売所の取締役もされているそうです。

直売所では、生産農家が明記されており、新鮮な作物を直接買うことができます。贈答向けのきれいな箱に入ったものから、値段も見た目も手頃で、友人宅へのおみやげとしても喜ばれそうなものまで、様々なタイプが販売されていました。直売所から発送することもできるので、おみやげにも最適です。

行本さんは直売所での販売以外にも、販路拡大の取り組みも積極的に行っているそうです。知名度を上げるために全国各地のイベントに参加することはもちろん、インターネット販売の施策も行っているのだとか。

また、国内だけでなく、海外に向けてどのように輸出していくべきか、またどの国でなら販売していくことができるかなど、自ら動いて情報を集めていらっしゃるそうです。

赤磐で丹精込めて育てたぶどうを、国内の方はもちろん、海外の人にも食べてもらいたいと考えて行本さんが真摯に取り組む姿勢が、今でも印象に残っています。

人の想いに触れることができるまち、赤磐

今回の農作業体験を通して、行本さんをはじめ、市役所の方々など多くの赤磐市の方にお世話になりました。
赤磐についても、ぶどうについても、農家さんの作業についても、知らないことばかりの私に対して、どんな小さな疑問にも細かく丁寧に教えてくださった姿が心に残っています。

ここまでに紹介したこと以外にも、例えば「新しくビニールハウスを建てると数百万円もかかる」といった農業の実際のお話や、「新規就農で一番苦労するのは、どうやって土地を手に入れるか」ということなども教えてくださいました。

くだもののおいしさを味わうことはもちろん、人のやさしさ、丁寧さに触れることができるまち、それが赤磐だと感じました。
ぜひ、みなさんも赤磐に訪れたときには、赤磐の人のやさしさとその人たちの想いを感じてみてください。

最後に、行本さんからシャインマスカットとオーロラブラックをお土産にいただきました。とってもおいしかったです。ありがとうございました!

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