食べるぶどうから作る是里ワイン

桃とブドウで有名な岡山県赤磐市。市のHPで特産品を調べていると「是里ワイン」なるものがあった。美味しいブドウから作られるワインはどんな味なのか・・・ソムリエの血が騒いだ。

是里ワイナリーは「ドイツの森」の中にある小さな醸造場だ。

今回案内してくれたのは地域おこし協力隊の三雲さん。是里ワインを語らせたら日本一!

ダンディミクモ

さっそく醸造場へ入ると、目の前にワインがズラーーーーッと並んでいた!それらはどれも「変わったブドウ品種から作られたワイン」だ。実は是里ワインを代表するブドウ品種「リースリング」や「キャンベル」は超レアなのだ!

試飲コーナー。リースリングやキャンベルをはじめ、ピオーネ、マスカット、桃が並ぶ。どれも飲んだら分かるが、「果物の味がすごい」のだ。

なにはともあれ、飲んでみた。最初は「リースリング」。日本では珍しい辛口リースリングだ!ゴクッ・・・。

すると・・・・

!!レモンのような爽やかさと、この上ない冷涼感!!後味が気持ちいい!!こんなリースリングは本場ドイツに行っても、なかなかお目にかかれない。この爽やかさは繊細な日本食にもよく合う!

リースリングに感動したまま、続けてキャンベル、ピオーネ、マスカット・・・と飲み進めていく。が、どれも最初にブドウの香りが口いっぱいに広がる、それなのに決して甘くない。これはすごい!

新ラベル予定のワインたち

なんでこんなに爽やかでおいしいのか?三雲さんに聞いてみた。

三雲さん「実はここのワインは食べられるブドウを使っています。それも一個一個袋にかけられていた出荷用のブドウです。」

なにーーーー!!!そう。是里ワインは食べておいしいブドウを使っている。だから飲んだ瞬間にブドウの強烈な香りが襲ってきて、何とも贅沢な味だったんだ。すばらしい。

私「日本でこんなワインが作られているなんて、ショックでした。これまでの日本ワインのイメージを覆されました!

三雲さん「そもそもブドウが素晴らしいのと、小規模生産だからできる徹底した品質管理のおかげですね。因みに人気のキャンベル・赤やリースリングは生産後半年で売り切れますよ。」

なんと!「価値の分かる人」はケース買いしていくほど人気の是里ワイン。私もファンになった、ということで今回は是里リースリングによく合うドイツ料理「シュークルート」を作ってみました。簡単なので真似してみてください♪

「家庭のシュークルート」(3~4人分)

【材料】
・キャベツ半個  ・にんじん、じゃがいも、玉ねぎ中2個ずつくらい
・ハーブソーセージ6本 ・スペアリブ400g・なければ豚バラ300g
・塩、酢少々    ・コンソメキューブ1個

【作り方】
①キャベツを千切りにし、塩でもみ、しなっとしたら水分を落として酢を加えます。
②にんじん・じゃがいも・玉ねぎは大きめの乱切りにし、鍋に①のキャベツと他の材料を全部入れ、ひたひたに水を加え、中火→弱火で40分煮込みます。

グツグツグツ・・・40分後・・・完成しました!

里ワインは甘口・辛口共に爽やかで、冷~温かい食事までよく合います。ぜひ皆さんも食事と一緒に楽しんでみてください♪

まさかここで出会えた幻のお酒

衝撃的な出会い

「なんじゃこりゃ!?」私の口内に衝撃が走った。口に入れた瞬間から熟したバナナやリンゴのような香りがブワッと鼻に抜けていく。飲んだ後はまるでメンソールのようにスッキリと口の中を洗ってくれる。この「とんでもない」お酒に出会った場所は、創業329年の室町酒造さんだ。

出典:http://www.sakuramuromachi.co.jp/

今回頂いたのはこちらのトップ酒「室町時代」。数々の世界大会で1位に輝いた、もはや日本酒のカリスマ的存在。こんなお酒が赤磐にあったのか・・・。

なぜおいしいのか?秘密はお米とこだわりにあった!
なぜこんなにもお米の香りが華やかでおいしいのか?信じられなかったので、室町酒造の 十一代目、花房社長に聞いてみた。

私「この味、チョーヤバイですね。私の知っている日本酒じゃないっすよ。」

数々のコンテストで1位を取っている室町酒造。とにかく飲んだらそのスゴさが分かる。

花房さん「そうですね。私たちは「雄町米」という地元のお米を使っています。このお米がすごいんですよ。」

私「オマチマイ?聞いたことないですが。」

花房さん「雄町米は地元のお米で、日本酒に使われる有名な“山田錦”や「五百万石」のルーツ米と言われています。栽培が困難な上に、反当りの収穫量も少なく、だから1俵あたりの単価が高いんですね。でもこの雄町米が日本酒をうまくする。」

とにかく雄町米が日本酒にピッタリ合うということ。しかしこの雄町米、生産者の減少や栽培が難しいため、収穫量が安定していない。そこで花房さんは、良いお酒を造るために、農家さんと契約して雄町米を確保したということ!なんとも酒造りに真摯である。

私「どうして雄町米が日本酒造りに好適なんですか?」

水を吸わせた後のお米。吸水時間はその日の温度や造りたいお酒の仕上がりによって、秒単位で時間を調整する。

花房さん「ちょっと難しいですが、日本酒を造るときって、まず麹菌にお米のデンプンを食べさせて糖分を作る。糖分が多い方が日本酒の品質にもつながる。つまり糖分が多い→デンプン量が多い方が良いってことです。で、この雄町米は上質なデンプン量が圧倒的なんです。」

日本酒のタンク。正月が明ければ杜氏さんは春まで、泊まり込みで酒を造るという。

私もこれまで名のつく日本酒を飲んできたが、雄町米の名を聞いたのは初めてだった。でも今知れた。「幻の米からできるお酒は格別にうまい。」と。虜になってしまった。

海外輸出向け専用の「佐近」。フルボディで洋食の肉料理もしっかりエスコートできそうだ。

今は「海外輸出向け専用」の商品も造っている。海外から大絶賛の室町酒造のお酒、いま飲んでおかないと、このさき飲めなくなるかも!?とにかく米と酒造りにこだわる室町酒造さんの更なる発展が楽しみです!

今回は赤磐の2つのお酒処を堪能してきました。どちらも原料にこだわり、丁寧な仕事をしているから、品質がついてくる。またどちらのお酒も飲んだ後に頭が痛くならず、余計なものが入っていないことを実感しました(笑)

訪問先はじめ、赤磐の方々はとても親切な方が多く、挨拶も元気で驚きました。「住みたくなるまち・あかいわ」また桃の花が咲く頃に来たいなぁ・・・。

 

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