奈良市へ移住している人は、奈良が好きで奈良に住みたい!と思って来た人ばかりではありません。結婚や転職その他、さまざまな事情で、たまたま奈良に移住することになったという人もいます。

震災をきっかけに、東京池袋から奈良市へ移住した松本知子さんに奈良でのくらしについてお話しを聞きました。

野菜や果物を遠方から取り寄せていた生活が、
農家と出会うくらしへ

松本さんは、東日本大震災直後の3月16日に当時1歳のお子さんを連れて、両親が住んでいた大阪に一時避難に来られたそうです。その時の新幹線は、松本さんのような母子であふれかえっていたそう。

東京と奈良を行き来した生活を2年。東京の自宅近くの公園の土壌検査数値を知り、奈良市で子どもを通わせたい幼稚園も見つかったため、移住を決められました。

「東京にいたころは、安全な食材がどれなのか分からず、西日本産の食材を探し回り、取り寄せしたり、毎日苦労しました。」

「奈良市のいいところは、おいしい野菜!」

と松本さんは言います。

アクセスが良くて田舎すぎないのに、山も近く、自然も豊富で、くらしを大切にしている人や場所にたくさん出会えるのが、奈良市の良い所だと教えてくれました。奈良市へ来てから、野菜も米も、近くの農家から直接買えるようになったそうです。

工夫してくらす面白さ。
梅干し・干し柿・味噌はてづくりするように

「東京の子育て支援サービスはとっても充実しています。」とも教えてくれました。数メートル歩くごとに、親子であそべる子育てスポットは大小そこら中にあるそうです。

―それに比べると奈良市の子育て支援は遅れていますよね?

「そうですね。だけど、制度やサービスの充実よりも、くらしの中で子どもを育てようと思ったんです。」

「例えば、梅干しや干し柿や味噌をてづくりしだしたのは奈良へきたから。だってそこらじゅうになってるんです。つくらなきゃ!つくりたい!ってなりました(笑)」

自然や歴史や行政とも距離が近い奈良は、家族で工夫してくらせば、とっても面白いと気づかれたそう。今は小学生になった息子さんが歴史に興味を持ちだしたので、いっしょに勉強したり、茶畑にお茶摘みに行ったりするのが松本さんの楽しみ。

出会いたい人に出会える街。
クラフトとデザインでほっこり時間を。

「農家もそうですが、奈良は生産者さんがとても近い。出会いたい人に出会えます。」

という松本さんは、奈良へ来て、いろんな作家さんや、ホームスパンアトリエ(羊毛教室)との出会いがあったそう。昔していた羊毛での作品づくりに改めて敬意を感じ、ご自身もほっこりたのしい時間を手がけていきたいと、現在、クラフトとデザインのお仕事をはじめられました。

「家族で奈良市に根付いていきたいんです。自分のやれることを拠点にしたい。」

松本さんは、仕事の他にもお母さん同士のつながりで「奈良市の給食を考える会」にも参加したり、いろいろなコミュニティづくりも楽しんでいるそう。

最後に、これから奈良市でどうくらしていきたいですか?と伺ってみました。

「時代の流れもあるけれど、外を向いてわいわいではなくって、自分の中につみあげていきたいと思っています。」

まとめ

どこに住むというより、家族がどう生きていくか。を考えたら、いつの間にか奈良市にいたと笑って語る松本さん。友人たちには、「奈良人よりも奈良人。」と言われるほど、奈良でのくらしを楽しんでいらっしゃいました。

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