ネットリサーチして出てくる奈良市の情報って、世界遺産や主要な街などの観光情報が多いですよね。ガイドブックには載っていない奈良をもっと深く知りたくないですか?

そんな方には民話がおすすめ。ずっと昔から口伝えで語られてきた民話には観光ガイドに載っていない奈良の魅力がいっぱい詰まっているんです。

民話はライブのよう

「語り手から聞こえてくる生の声はとても分かりやすい文体と独特のリズムがあって、まるで音楽のように聞き手の心や体に響くんです。」

そう語るのは、「奈良の民話を語りつぐ会(愛称:ナーミン)」で活動するKさん。語り手と聞く側とが向き合ってできるその場だけの空間。そこに流れる民話は、まるでライブ会場で聞く音楽のようです。語り手の温かくて心地よい声にはいろんな感情が乗っていて、聞き手は民話の世界に引き込まれます。

今なお語り継がれる奈良の民話

民話とは長年語り継がれてきたその土地の伝承や説話、いわば地元の宝もの。だからこそその土地独自の特色や風土が民話にダイレクトに表現されているんです。

奈良の民話の特色は、やはり歴史的な土地柄から寺社仏閣にまつわるものが多いとKさんは言います。例えば興福寺にまつわる地名のお話。奈良の玄関口の近鉄奈良駅。東改札を出て南側にある出口を上がるとすぐそばに「東向商店街」があります。

奈良時代、強大な権力をもっていた興福寺にお尻を向けてはいけないということでこの地域の家屋は東を向いて建てられました。そこから「東向」と名前が付けられたそうです。

他にも東大寺の「鬼子母神とザクロ」や「良弁杉」、春日大社の「十三鐘の石子詰め」など、今は観光地になっている名所にもその土地に根差した民話が数多く残されています。

魅力あふれた民話を次世代に語り継ぐ

「奈良で生まれ育った生粋の奈良人って案外少ないですね。」と話すKさんも転入して来たお一人。昔はおじいちゃん・おばあちゃんから子供や孫に民話が娯楽として語り継がれてきました。ただ、核家族化が進む現代では民話を聞く機会が少なくなったとか。

「だからこそ語りを続けていきたい。奈良に残る民話を子供たちが楽しんでもらえれば。」と言うKさんの柔らかい声には強い思いが込められていました。民話をきっかけに子供たちが「自分たちの住む奈良にはそんなお話があるんだ。」と気づいてくれると嬉しいですね。

まとめ

紹介したもの以外にも、奈良にはまだまだ素敵な民話がたくさんあります。

ナーミンが定期的に開催する「奈良民話祭り」や「ナーミンおはなし会」などで民話に触れてみてください。きっと奈良がより身近に感じられて、奈良人よりも奈良人らしくなれるかもしれませんよ!

奈良の民話を語りつぐ会(愛称:ナーミン)
HP:https://namin2016.jimdo.com/

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