奈良市に住んでいると、当たり前のように存在する奈良公園の「鹿」。春になればかわいい小鹿が産まれ、また秋になれば立派に伸びた牡鹿の角切りがあります。そんなみんな大好きな鹿について『どうして奈良公園には鹿がいるの?』など、実は知らなかった鹿について調べてみました。

奈良の鹿伝説!白鹿は神様の使いとしてやってきた!

鹿が生息するのは主に奈良公園ですが、その一部に春日大社(かすがたいしゃ)の境内が含まれています。主神の一人、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が常陸の国「鹿島神宮(かしまじんぐう)」から白鹿の背に乗ってやってきたとされています。そのため、私はてっきり白鹿は伝説の生き物と思っていましたがなんと実在する動物でした!奈良公園でも数年に一度の頻度ですが白鹿のバンビが誕生しています。

白鹿はいわゆる「アルビノ」で、ポピュラーなところでの「白うさぎ」もアルビノです。アルビノとは、先天的にメラニン色素を作ることができない、または少ししか作ることができない体質のことです。しかしながら、その珍しさゆえに同じ鹿からも仲間外れにされたり、人間に追いかけられたりした結果、交通事故で亡くなることが多いようです。

写真の白鹿は春日大社のおみくじのひとつ「白鹿おみくじ」(600円)です。普通の「鹿おみくじ」(500円)もあります。

「早起きは三文の徳」じつは奈良の鹿が由来!

有名なことわざ、「早起きは三文の徳」。諸説ありますが、これは奈良の鹿が関わっているとも言われています。

かつて鹿の亡骸が家の前で発見された場合、家主は罰金を払わなければいけないという掟があったそうです。その罰金で徴収される金額が「三文」でした。(ちなみに三文は現在でいうところの100円程度の金額です。)罰金を払いたくない家の主たちはこぞって早起きをし、軒先を確認するようになりました。もし鹿の亡骸があったらこっそりと鹿をとなりの家の軒先に移動させたそうです。そしてそのとなりの人も早起きして…を繰り返し、一番遅く起きた家主が最終的に罰金を徴収されることになります。

「早起きすれば三文支払わなくて済む」→「三文得した」

という考え方から「早起きは三文の徳」ということわざが誕生したとされています。この三文という金額ですが、鹿の亡骸は住民によって処理することが許されておらず、興福寺に依頼し処理してもらっていました。その費用が三文だったそうです。

鹿せんべい大好きな鹿。お辞儀は「ちょうだい」の意味じゃなかった!

鹿せんべいをおねだりする鹿たち。このお辞儀、本当はおねだりの意味じゃなかったのはご存じでしょうか?

確かに「お辞儀」のような動きをすれば貰えると鹿たちも学習しているのも事実。でも、奈良公園の鹿はあくまでも野生です。鹿のあの行動は実は「威嚇」にあたります。あの行動が可愛いからとおせんべいを与えることをじらすと攻撃されてしまいます。実は特に気の短い鹿ほど「お辞儀」をします。鹿にとっては、「こっちはいつでもやったるぞ!」といった意味合いのようです。これはなんとも恐ろしいことですよね。

そしてつい買ってしまう鹿せんべい、束ねてあるものは証紙で鹿が食べても問題ありません。公式の鹿せんべいは大豆インクで印字されています。なお、価格は原材料の高騰や増税のため2019年10月より200円に値上がりしました。証紙の収益は「奈良の鹿愛護会」の活動資金などに充てられています。鹿だけに値上げもシカたありませんね…。

まとめ

奈良公園の鹿、奈良市民の生活にはあまりにも馴染んでしまっていますが、よく考えてみたら野生の鹿が街中を闊歩する光景って不思議なことですよね。鹿と人とが共存し始めて1000年以上が経ち、これからも鹿とともに私たちの日常は続いていきます。

もし、奈良公園へ行かれる機会があれば、ぜひ鹿についての知識をちょっと自慢してみるのもいいですね。きっとビックリされること間違いなしです!

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