那波りよさんは平成29年度から、奈良県で「新しい働き方講座」(以下、スクット講座とします)の講師を務めています。

那波さんは大学卒業後、学習塾講師として働き、その後オーストラリアとニュージーランドで2年間のワーキングホリデーを経験。帰国してからは実務翻訳の仕事を数年続け、広告代理店で7年勤務しました。

・・・女性として、とてもカッコいいキャリアです。ところが介護のため、離職して故郷の奈良に帰ることに。「どうやって働くか」逡巡の末、フリーランスのライターとして生活する道を選びました。

今は、奈良でフリーランスとして充実した生活を送る那波さん。

逆境ともいえる転機を経て故郷で「自分らしい働き方」を実現した、そのストーリーをお聞きしましょう。

それは介護離職から始まった
~人生の棚卸しを経て、腹をくくる~

ーー大きな社会問題でもある介護離職。それぞれの事情でやむを得ず選ぶ道ではないかと思いますが、那波さんの場合はいかがでしたでしょうか。

「私の場合、実父と祖母の2人が介護を必要とする状態になりました。7年勤めた会社を辞め、小さい子どもを抱えて奈良の実家に帰りました。父は寝たきりで排尿のためのカテーテルをつけていました 。」

ーー・・・途方に暮れる状況ですね。実家に戻った時点でお仕事の見通しは立っていなかったのでしょうか。

「まったく。雇用保険の失業手当が受けられる3か月ほどの間でなんとかしようと就職先を探している時、ランサーズのことを思い出しました。

以前『副業になれば・・・』と登録だけはしたものの、仕事が忙しくて放置している状態でした(笑) 。これを、もう1度始めてみようかと。広告代理店勤務時にキャッチコピーや台本や企画書を書く仕事の経験がありましたし。幸い継続案件を受注でき『似た案件があと何件かとれれば、なんとか生計が立つかも?』という考えが浮かびました。」

ーーとはいっても会社で雇用される道もあったのではないでしょうか。滑り出したばかりのライターの仕事、しかもフリーランスで働こうと舵を切ったときの心境はいかがでしたか?

「『これからどうする!?』まさに岐路です。

これまでやってきたことを振り返って人生の棚卸しをした時、自分が長い間『いつか、文章を書くことを仕事にしたいと思っていた!』ことに気づきました。

それに、小さい子どもと要介護の家族を2人抱えて勤めを探しても、その状況に配慮してくれる職場は簡単には見つかりません。

それなら、フリーランスでライターの仕事をやってみよう!、と。

『いつかしたい、のいつかは永遠にこない』とよく言われますが、私の場合の『いつか』はその時でした。」

ワクワク感と熱気に伝染!
~スクット講座の魅力~

ーースクット講座に関わったきっかけは?

「奈良でスクット講座が始まる時、運営スタッフの募集があったので応募しました。その年は講師のアシスタントをし、翌年度、翌々年度と続けて講師を務めました。」

ーー最初に研修に参加されたと思いますが、その時の印象はいかがでしたか?

「東京と奈良という離れた地域でもオンラインでリアルタイムに研修を受けることができ、大変勉強になりました。Trelloなど、おそらく自分一人では知ることも使うこともなかったツールを活用しての知識共有ができたことは非常に有意義でした。」

ーーその後、スクット講座が始まってからは、どのように感じられましたでしょうか?

「地方創生チーム(注)のスタッフの熱意に驚きました。縁もゆかりもない地域のために『なぜここまで一生懸命!?』という(笑)。

合言葉は『ワクワクは伝染する』で・・・実際、私にも伝染し、地域の活性化のために活動したいと思うようになりました。」

ーースクット講座と通してご自身が得たこと、学んだことはありますか?

「スクット講座では『やるか、やらないか』は全面的に各受講生にゆだねられています。『できない言い訳』はいくらでも作れる中、言い訳をせずに『やってみよう』と行動に移した受講生の方はどんどん成長していきました。

受講生のみなさんの姿から学ばせてもらったことはたくさんあります。」

(注)地方創生チーム:ランサーズ社で、エリアパートナープログラムを担当するチーム

スクット認定講師 那波りよさん

スクット認定講師 那波りよさん

営業はわらしべ長者方式で!
~地元、奈良で実現した自分らしい働き方~

ーー現在、奈良ではどんなお仕事をされていますか?

「取材記事の作成をはじめとする、ライターの仕事を中心にしています。」

ーー地域の中でどのように仕事を広げていかれたのでしょうか。

「名刺交換会や異業種交流会などのイベントに参加して『私はこれができます』と言っていたら、少しずつ仕事がくるようになりました。人からの紹介で仕事が入ってくることもあります。

地方ではライターが少ないのでわらしべ長者のように1つの仕事が次の仕事に結びつきやすいと思います。」

八方ふさがりと感じたら開きなおれ
~どうせダメならやりたいことをやる!~

ーーこれからの展望をお聞かせください。

「地元、奈良のクライアントを増やしたいと思います。今は、京都や大阪のクライアントが多いので。

地域の活性化のためにも何か役割を果たしたいと思っていて、いくつか『こんな試みはどうだろう?』というアイデアがあるのですが、内容は今のところ秘密です(笑)。」

ーーここまでこの記事を読んでくれた読者の方にメッセージをお願いします。

「私が奈良に帰ったときは、40代女性、シングル、家族に幼児と要介護者2名という状態。働かないといけないのに、再就職活動の中でひしひしと感じる『正社員で働くのは無理』という思いに、押しつぶされそうでした。

でも結果的に『正社員が難しいなら、やりたいことをしよう』と開きなおったのがよかったです。道に迷ったときは、『本音』が正解を知っています。」

ーー控えめでおとなしそうな那波さん。「めだだないおばさんキャラを売り物にしてるんですよ!」と微笑みます。が、逆境と思える状況の中、恐れることなく自分をみつめ、新しい一歩を踏み出したその勇気。ワクワクが伝染するように勇気も周りに伝染するのではないでしょうか。

介護をしていたお祖母様は見送りましたが、寝たきりだったお父様は家の中を立って歩けるようになったそうです。これからもご家族との時間を大切に「新しい働き方」を目指す人の手助けを続けてくださいね!

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井上美奈子
「自分が自分のボスであること」がモットーです。長らく東京でOLをしていましたが、2014年に東京から南房総市へ移住。今は、パソコン教室、事務代行、ホームページの作成、家庭教師などをしつつWebライターで生計を立てることをめざしています。
ライターの仕事を通してこの地域はもちろん、世界中の人々とつながって生きていきたいと思っています。趣味はブログ、ヨガ、読書など。
(Webサイト)
◆南房総極楽日記 ~Good-by 東京 Go Go 和田町!~
http://minamiboso-country-life.com/
◆あわみなこパソコンサポート
http://awaminako.com/
◆~今日も断酒天国~アルコール依存症ぴなこ「今日一日」のためのウェブサイト
http://recovery-from-alcoholism.com/