奈良県奈良市在住の伊藤愛さん(通称:あいぼん)は、主婦・美容ライター・実家の農家手伝いと、多忙な毎日。そんな彼女は「新しい働き方講座『なららワーク』地域ディレクター」という顔を持っています。地域の人材を発掘する仕事だそうですが、どんなお仕事なのでしょうか。

新しい働き方を求めて~奈良の主婦だった「あいぼん」さんの話

伊藤愛さん 実家のイチゴ畑にて

伊藤愛さん 実家のイチゴ畑にて

ーーこんにちは!「あいぼん」さんは普段どんなお仕事をなさっているのですか?

「こんにちは!子どもがいるので主婦業はもちろん、実家がイチゴ農家でその手伝いをしています。今(3月)は繁忙期なので忙しいですね。他に、Lancersでライティングを請け負ってライターをしています。そうした中で、『なららワーク』地域ディレクターもやっています。」

ーー4つもお仕事があって多忙ですね。そしてそもそも「地域ディレクター」とはどういうお仕事なのですか?

「講座の中で、講師と受講生の橋渡しとなる役割の仕事ですね。受講生の相談に乗ったり、出された課題の進捗を確認したりして、フリーランスとして独立するお手伝いをします。『なららワーク』は今までに3回開催していますが、私が地域ディレクターとしてのお仕事は実は前回が初めてで、それまでは一受講生、チューター(受講生の中で相談を受ける立場)という存在でした。」

ーー地域ディレクターになろう!と思ったのはなぜですか?

「奈良は、県別の共働き世帯率が全国で一番低くて、専業主婦が多い地域なんです。『なららワーク』もママの受講生ばかりなんです。ママさんは子育てとの両立に悩む人が多いのですが、私はママとしての気持ちがわかるし、自分も同じような道を歩んできたので自分ならママさんが新しい働き方にチャレンジする手助けをできるのではないかと。」

ーーそうなのですね。でもディレクターというとなんだか難しそうな仕事ですね。

「初めてのことなので、私自身もディレクターって何だろう?と正直思っていたこともありました。でもそんな中、地域ディレクターの集合研修があって、参加してきたんです。地域の課題と解決についてや、”ディレクションとは何か、ディレクターはどうするべきか”という概論からノウハウが含まれた内容で、それがすごく勉強になって。私が奈良をひっぱっていく!という使命感が生まれました!また、そこで、他の地域の地域ディレクターと横のつながりを持てて、情報交換をしたりもしています。」

ーー実際に地域ディレクターの仕事をして、難しいなと思ったことはありましたか?

「2017年から始まった『なららワーク』ですが、1年目、2年目と受講生の中から離脱者が数名出てしまっていました。どうして離脱者が出たのかを考えて、受講者の横のつながりが足りないかなとか・・・。そして3年目、私が地域ディレクターとして初めて関わった年ですが、コミュニティ形成を意識して取り組みました。一人一人のフォローもしてみて、離脱者ゼロにすることができました。私はどちらかというと、前に立つタイプではなくて、誰かの相談に乗ってフォローしたりする方が得意です。相談してよかった、とか、またがんばってみようと思いますって言われると嬉しくて。そういうときにやりがいを感じますね!」

クラウドソーシングは、孤独感との闘いだった?

ーー『なららワーク』を始めたきっかけというのは何だったのですか?

「独身の頃は、アパレルの正社員でした。結婚・妊娠を機に辞めてしまったのですけれど。でもそのうち、また社会に関わりたい、スキルを誰かに必要とされたいという思いが湧いてきました。ただ、主婦でもありイチゴ農家もやっていて、まとまった時間を作るのが難しかったんですよね。それに、やっぱり子どものそばにいたいっていう気持ちがあって。そんなとき、クラウドソーシングをたまたま知って、独学で始めてみたんです。」

普段の仕事に使用しているノートパソコン

はじめは独学でクラウドソーシングに挑戦

ーー講座参加前から、ご自分でやっていたのですね。

「はい。理想の働き方だと思って独学で始めたんですが、結局パソコンとしか接点がないなって。仕事のことも誰とも相談できない状況で『苦労してるの私だけ?』という感じですごく閉鎖的な気持ちになっていきました。でもある日、子どもの幼稚園の送迎のときに、市の職員さんが『なららワーク』のチラシを配っていたんです。周りの人はあまりもらっていませんでしたが、私はチラシをもらって、握りしめて帰りました。そしてすぐに申し込みの電話をしました。」

ーーそして『なららワーク』受講後の今、理想の働き方は実現できていますか?

「今は、講座を通して知り合いが増えてコミュニティもでき、全然ひとりぼっちではないんです。普段から連絡を取り合う友達もできました。Lancersでのライター仕事も継続できていて、理想だった働き方を実現できていると思います!」

伊藤さんご自身がクラウドソーシングを始めたとき、仲間がいなくて苦労したという経験が、『なららワーク』での受講生の離脱者問題解決に生きたのかもしれません。

奈良県主婦の本当のチカラを引き出したい

ーー理想の働き方を実現できているあいぼんさん。では、地域ディレクターとしての目標を教えてください。

「クラウドソーシングって、だんだん社会に浸透してきてはいますが、まだまだ知らない人も多いです。始めようとして、前の私みたいに壁にぶち当たってしまうことも多い。だから、そういう人が困らないように、一緒に歩んでいくような仲間を作れるように、これからも活動していきたいと思います。」

なららワークの講座風景

なららワークの講座風景

「それに奈良県でこうした活動をしているのって奈良市だけなんですよ。だから、こうした活動をする自治体を増やしていずれは、奈良県全体に広まればすごくうれしいですね主婦率一位の奈良県ですが、子育てとの両立に悩むママにこそこの働き方を知ってほしいと思います。」

ーー個人的にやりたいことは何ですか?

「美容ライターをしているのですが、ライター業ももっとやりたいなと思っています。その仕事に役立つように、いろいろな資格も取っていきたいですね。あと、個人でブログを運営しているのでそのブログも読んでもらえるように底上げしていきたいですね。」

ーーでは最後に、地域ディレクターとして感じていること、やりたいと思っていることを教えてください。

「『ママ』というだけで隠れてしまっているけれど、実はそれまでその人が生きてきた中での技術や経験があり、すごいスキルを持った人がたくさんいるなと感じていました。そうした仲間たちの可能性を発掘して広げたいと思っています。それに、そうしたすごい人がたくさん隠れていることを、自治体や社会全体に認識してもらえるように取り組みが広がっていけばいいなと思います。」

明るい笑顔で、奈良ママ発掘宣言をしたあいぼんさん。もちろん積極的に専業主婦を選ぶ選択肢もありとしながら、子育てと仕事の両立に悩むママの助けになりたいといいます。あいぼんさんの努力と取り組みにより、奈良の悩めるママたちが新しい働き方へ最初の一歩を踏み出しています。

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Mio Hoshino
IT技術系出身のライターです。システム開発に付随する文書のテクニカルライティング、製品のPR文章作成などおまかせください。PPT資料作成もできます。その他記事作成やコピーライティングも請け負います。得意分野は、防災、地方移住、子育てです。コラムなどの記事作成もご相談ください。