2019年3月24日、東京・千代田区のシェアスペースNagatacho GRiDにて「地域フリーランス働き方会議2019 〜ローカルリーダー・開花宣言 in 東京〜」(以下、「働き方会議2019」)が開催されました。

参加者の集う様子

日本全国から参加者が集まりました

「働き方会議」は、全国各地域で「新しい働き方」を実践するフリーランスが一堂に会して知恵を出し合い、新しいつながりを作る場です。今年は、全国6地域のローカルリーダーによる実践報告と提言のほか、地方創生に大きく貢献した4名のフリーランスへの表彰も行われました。

オンラインも含め、観覧者は北海道から九州まで全国各地から集合!地域での「新しい働き方」への熱い想いがひしひしと感じられた会でした。今回は、そんな「働き方会議2019」参加レポートを、4回の連載でお届けします。

第1回目の今回は、岡山県和気町・赤磐市の発表内容をシェアします!

和気町:「つながり」を大切に、一人ひとりの才能を見つけ出す 

第一部「地域フリーランスコミュニティ 課題解決の提言」トップバッターは岡山県和気町。地域ディレクターの濱田芙美さんが発表に立ちました。

ランサーズによる地域自走型雇用創出プログラム『スクット』2期目を終えた和気町。2017年中級講座の受講者はひとりも脱落せず、全員が卒業。1期目から修了率100%を達成しました。

しかし、最初から順風満帆というわけではなく、最初は二つの「壁」に直面したと言います。ひとつは世代間の壁、もうひとつは以前からの住民と移住者との壁でした。シニア世代やもともとの住民の中には、クラウドソーシングというものに対する不信感を持っている人も多かったのです。

和気町の取り組みについて説明する濱田さん

和気町の取り組みについて説明する濱田さん

そこで、濱田さんをはじめとした運営側が心を砕いたのが、信頼して取り組んでもらえる環境づくりです。毎回の講座の席順を工夫し、自然と横のつながりを広げられるようにしたほか、「もやもやを解消する会」(通称:もや会)で、受講生一人ひとりと丁寧に向き合う時間をつくったのです。

また、スマホを使った写真撮影や動画作成など、新しい講座も積極的に導入。受講生一人ひとりの眠っている才能を引き出すチャンスを増やしていきました。

二期にわたる『スクット』を通して濱田さんが気づいたのは、埋もれている人材の多さでした。地方に人材が「いない」わけじゃない。皆が自分の能力や可能性に気づいていないだけだ、と実感したのです。

せっかくの才能、埋もれたままではもったいない!と、今後の課題としてアピール力を磨くことを挙げた濱田さん。これから私たちも、クラウドソーシングを通して「きらりと光る」和気町のフリーランスの方々に出会うことがあるかもしれませんね。

赤磐市:フリーランスとして活動を続けられる仕組みづくり

2番目の発表は赤磐市。発表者の福島由香さんは、「新しい働き方の魅力をもっと知ってほしい!」との思いから、『スクット』地域ディレクターとしての活動に取り組んでいます。

赤磐市の『スクット』導入は2016年度。3期目となる2018年度の受講申し込み人数は定員の2倍!と、3年間で大きな期待を集める事業となりました。

しかし講座は盛り上がるものの、赤磐市には大きな課題がありました。せっかく学んだ卒業生がフリーランスとしての仕事を続けられず、脱落していってしまっていたのです。クラウドソーシング上での提案がうまくできずに仕事が取れなくて稼げない。それが続くと、自分には向いていないとやめてしまう・・・そんな悪循環が起きていました。

赤磐市の課題を説明する、福島さん

赤磐市の地域ディレクター福島さん

そこで、三期生からは『スクット』卒業生の集まりを週に一度持つようにしました。顔を合わせれば、情報交換したり励まし合ったりでき、モチベーションを保つことができます。さらに、自治体から仕事を受注し、それに皆で協力して取り組むように。チームで仕事を受注することで、卒業後も孤立せず、助け合いながらフリーランスを続けられる仕組みをつくりました。

今後の目標は、自治体だけでなく地元企業から仕事を獲得することと、「赤磐市のすべてがわかる」ローカルメディアの立ち上げだと語る福島さん。赤磐市の『スクット』卒業生の手によるシティプロモーション、楽しみですね!